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    どうしてトリチウムは危険なのか(3)

    どうしてトリチウムは危険なのかでいただいたコメントに対して反論するために、さらに情報を探したところ、[フランス] ラアーグ周辺で白血病調査(原子力産業新聞 2001年7月12日)トリチウムの生物影響 (09-02-02-20)(ATOMICA)という情報を発見しました。
    前者の情報では、フランスのラアーグ周辺で白血病が増えているにもかかわらず、「環境放射線に関する調査の結果、コタンタン半島北部の原子力施設からの放出物による被曝がボーモン・アーグ郡における白血病の検出し得る増加に結びつくとは非常に考えにくい。」というように、トリチウムを大量に放出する再処理工場の影響を否定していますが、日本政府が福島における小児甲状腺がんの多発と福島第一原発事故の関連を完全否定している事と全く同じであると言えるでしょう。*1
    一方、後者の情報(「本文を読む」をクリックしてください。)では「ヒトの末梢血液をin vitro(生体外)で照射してTリンパの急性障害をしらべた結果、トリチウムの細胞致死効果はγ線より高く、また放射線感受性はいずれの血液細胞もマウスよりヒトの方が高い」とされていますが、こちらはの結果は生体外での被曝実験なので、トリチウムが体内に取り込まれてDNAの塩基の中に組み込まれた場合は、どうしてトリチウムは危険なのかで説明したように、さらに危険性が増すのではないでしょうか。
    また、後者の情報では「経口摂取したトリチウム水の生物学的半減期が約10日であるのに対し、有機結合型トリチウムのそれは約30日〜45日滞留する」とされているため、トリチウムはストロンチウムほどではないにしても生体濃縮が起きるという事であり、有機結合型トリチウムの形で取り込まれた場合の方がトリチウムがDNAの塩基に取り込まれやすいので、どうしてトリチウムは危険なのかで説明したようなDNAの二本鎖切断が起きやすいと考えられるため食物連鎖の頂点にいる人類は大変大きな影響を受けやすいはずです。*3
    尚、どうしてトリチウムは危険なのか(2)を見ていない人はどうか見てください。
    *3 生物がトリチウムを吸収すると、一定のトリチウムが有機結合して有機結合型トリチウムが生成される事に注意してください。
    追記:(2023/8/27)
    トリチウムの生物影響 (09-02-02-20)(ATOMICA)「<図/表>」表2 種々の生物学的指標に対するトリチウムβ線のRBE表5 トリチウム水誘発がんのRBEEを見ると、RBE(ATOMICA)は同一線量でどれだけ生物に有害なのかという指標値なので、この結果を見てもトリチウムの方がγ線やX線よりも有害である事がよく分かると思いますが、これは、トリチウムが放出するβ線のエネルギーが低いために電離密度(LET)が高いという事と、どうしてトリチウムは危険なのか(5)で説明したとおり、トリチウムがDNAに取り込まれた場合にDNAの二本鎖切断が起きやすい事と関係しているのではないでしょうか。
    尚、電離密度(LET)の説明は、どうしてX線は危険なのかを見てください。
    追記2:
    チェルノブイリ原発事故では国際的な基準を守っていても安全ではなかったそうなので、国際的な基準以下の濃度にして放出しても安全である保証は何処にもない事に注意してください。
    追記3:
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