2021/03/15
どうしてX線は危険なのか
どうしてX線は危険なのか説明したいと思います。
http://nucleardata.nuclear.lu.se/toi/nuclide.asp?iZA=270060
を見ると60Coがβ崩壊すると2本のγ線が出て、平均約1.25MeVである事が分かります。
そして、 X-ray radiation vs. Gamma radiation(Kishor Mehta, Ph.D.)には、
|Type of Radiation|LET(keV/μm)|
|Cobalt-60 gamma radiation|0.2|
|250 keV X-radiation|2.0|
と記されているので、この場合のLET=電離密度(環境省)はγ線の10倍です。*1
を見ると60Coがβ崩壊すると2本のγ線が出て、平均約1.25MeVである事が分かります。
そして、 X-ray radiation vs. Gamma radiation(Kishor Mehta, Ph.D.)には、
|Type of Radiation|LET(keV/μm)|
|Cobalt-60 gamma radiation|0.2|
|250 keV X-radiation|2.0|
と記されているので、この場合のLET=電離密度(環境省)はγ線の10倍です。*1
によると137Csから出るγ線のエネルギーは約0.66MeVなので、この場合は250keVのX線の電離密度の約5倍程度になるののではないかと思いますが、LET=電離密度が高いという事は、DNAが殆ど修復不能な二本鎖切断の確率が高いという事なので大変危険であるはずです。
低線量被曝の危険性についてで紹介した、民間機乗務員のがん発生率、一般平均より高い傾向 米研究(AFP 2018年6月27日)は、高高度でX線の被曝量が多い事を考えると、X線の危険性を示しているのではないかとも考えられますが、原発はいますぐ廃止せよの市川定夫決定版 その2でも、農業用に使用した60Coが崩壊して発生したγ線がコンプトン散乱(Wikipedia)で変化したX線による被曝で白血病を発症した可能性がある事が指摘されています。
ところが、放射線の単位 さまざまな係数(環境省)では、IAEA(Wikipedia)にならって放射線加重係数はγ線と同じ1としています。
もし、上記の内容が正しければ、医療被曝は一般的に考えられている以上に何倍も危険である事になるだけではなく、γ線が建物の原子でコンプトン散乱してエネルギーが減衰してX線に変化するため、福島県の高線量地域では、屋内に居る事や積雪によって線量が低下したとしても、γ線をそのまま浴びた場合以上に健康に影響が出る可能性がありえるのではないでしょうか。
もし、上記の内容が正しければ、医療被曝は一般的に考えられている以上に何倍も危険である事になるだけではなく、γ線が建物の原子でコンプトン散乱してエネルギーが減衰してX線に変化するため、福島県の高線量地域では、屋内に居る事や積雪によって線量が低下したとしても、γ線をそのまま浴びた場合以上に健康に影響が出る可能性がありえるのではないでしょうか。
*1 LETは、Linear Energy Transferの略です。
追記:どうしてX線は危険なのか(2)も見てください。
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