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    プルサーマル運転の危険性と問題性について

    そろそろプルサーマル運転の危険性と問題性について説明しなければならないと思い出しましたので、説明したいと思います。
    (1) プルトニウムは核分裂で発生する中性子の数が多くてエネルギーが高く、遅発中性子(ATOMICA)の割合がウランより少なくて反応速度が速く、MOX燃料のボイド効果(コトバンク)がウラン燃料より大きいため、核分裂反応の制御の誤りによる事故の危険性が高まる。*1
    (2) プルトニウムの核分裂で発生する中性子の数が多くてエネルギーが高いため、MOX燃料を使用すると原子炉や核燃料の被覆材や制御棒の寿命が短くなり、制御棒の効きも悪くなるため、これらの影響による事故の危険性が高まる。

    (3) MOX燃料はウラン燃料より融点が低くて熱伝導率が低いため、メルトダウンしやすい。
    (4) MOX燃料に含まれるプルトニウムは、自発核分裂(Wikipedia)を起こしやすい核種の量が多いため、原発事故で再臨界や即発臨界が起きやすくなり、事故で放出される放射性物質の量がウラン燃料の場合よりもはるかに多くなる。*2
    (5) (4)と同じ理由により、MOX燃料は未使用でも中性子線の線量が多いため、原発内の作業員の中性子線被曝が増え、運搬員や運搬経路の道路の近くの住民の中性子線被曝が発生する。*3
    (6) MOX燃料を製造するために核燃料の再処理を行うと、核燃料の再処理の危険性と問題性についてで説明した通り、膨大な労力とコストをかけて膨大な放射性物質を放出する事になる。
    (7) 現在はMOX燃料を海外から輸入しているが、貨物船の沈没により、海洋がプルトニウムで汚染されたり、テロリストにプルトニウムを強奪される危険性がある。
    (8) 現時点では輸入MOX燃料の価格が輸入ウラン燃料の価格の約9倍ではないかという話がある。*4
    (9) 使用済みMOX燃料の冷却期間は使用済みウラン燃料よりかなり長いようである。*5
    (10) MOX燃料の多くは劣化ウランで出来ているため、MOX燃料を燃焼させて劣化ウランに中性子を照射すると、中性子の数が多くて高速であるが故にウラン燃料以上に新たにプルトニウムを作り出すと考えられるが、MOX燃料は被覆材の劣化が激しいので、新たに作り出したプルトニウムを全て燃焼する前にMOX燃料を炉心から取り出さなければならず、プルトニウムを効率よく減らす事が出来ないと考えられる。*6
    (11) MOX燃料を燃焼する方が、半減期が8千万年の244Puや半減期約8500年の245Cm等の超ウラン元素がウラン燃料を燃焼するよりより多く生成されると思われるが、これらの半減期が非常に長い放射性物質をどうするのかという事が大問題である。
    *1 詳しい説明は、ここでは敢えて省略させていただきますが、向上心がある方は、ネットで調べてください。
    *2 メルトダウンに伴う再臨界の可能性について福島第一原発の3機の爆発についてを見てください。
    *3 中性子線はα線と違って透過性が高く、細胞内の陽子と衝突すると中性子は陽子と殆ど同じ質量であるため、効率よく陽子を弾き飛ばし、細胞内の狭い範囲の分子を大量に電離させるので、外部被曝で一番怖いのは中性子線です。
    *4 原発で使うMOX燃料の価格が約5倍に 1体10億円超(TV Asahi 2017/12/17)原子力資料情報室MOX燃料はおいくら?を見てください。
    *5 九州電力の見解12を見ると、使用済みMOX燃料はどれだけの期間冷却すれば良いのか未だに分かっていないようですし、500年冷却しなければならないという噂もあるようです。
    *6 この件に関連して、核燃料の再処理の危険性と問題性についての(8)も見てください。
    追記:
    (2)で説明した原子炉の寿命の低下の原因は、プルサーマル運転では、中性子の数が多くてエネルギーが高くなるため、美浜原発3号機の危険性についての(2)と(4)で説明した中性子照射脆化が速まるためです。
    追記2:(2021/11/4)
    (1)のボイド効果に関する説明の誤りを訂正しました。
    追記3:
    私としては、プルサーマル運転によって核兵器用のプルトニウムを作りやすくなるのではないかと思っています。
    追記4:
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