fc2ブログ

    慣性力を見かけの力と呼ぶのはもう止めませんか?

    Yahoo!知恵袋(物理)で、慣性力は見かけの力ではないという説を延々と主張されている方がいて、無益な論争を終わらせるために私も本格的に参戦したのですが、慣性力は見かけの力ではないと主張されている方の言い分が理解出来たと思いますので、この事について簡単に記しておきたいと思います。
    電車の乗客が鉄球を手で押さえた場合は、モーターのエネルギーを起源としたF=maの加速力が乗客の手を媒介して鉄球に作用して鉄球も電車と一緒に加速度aで加速し、この場合、乗客の手にF=maの反作用力が加わり、この力を一般的には慣性力と呼んでいると思いますが、この直接的に測定可能な反作用力を見かけの力と呼ぶから混乱が生じているのではないでしょうか。
    それと、遠心力がF=mv^2/rになる理由についてで説明した慣性力に分類される遠心力も、回転系の物体の立場で見ると、回転円の中心方向に加速するために必要な向心力(=円の中心方向へ向かう加速力)の反作用力なのですが、この力も直接的に測定が可能なので、遠心力も見かけの力と呼ぶことによって混乱が生じるているのではないでしょうか。
    したがって、慣性力を見かけの力と呼ぶのを止めれば、混乱をなくせるのではないでしょうか。
    因みに、相対性理論における「直角レバーのパラドックス」というものがあって、このパラドックスも、作用と反作用を正しく認識出来ない事によって生じた誤解と考えれば解決すると思いますので、直角レバーのパラドックスについてを見てください。
    追記:
    Yahoo!知恵袋(物理)で惑星の公転の場合について説明している人がいたので私も考えて見たのですが、惑星の公転の場合は向心力は太陽と惑星間に作用する引力であり、引力も慣性力も物質全体に作用するから、引力と遠心力(=慣性力)が物質全体でつり合うから、太陽の引力による向心力も惑星の公転運動による遠心力も測定出来ないと思えばよいのではないでしょうか。
    追記2:(2023/10/5)
    ダランベールの原理(Wikipedia)を見て、「見かけの力」について誤った理解をしていた事が分かりましたので、内容を大幅に訂正しました。
    追記3:(2023/10/6)
    ネットでダランベールの原理について調べていたところ、宇宙に入ったカマキリさんのダランベールの原理からラグランジュ方程式の導出:解析力学とのつながりが見つかり、ダランベールの原理からラグランジュ方程式が出る事を知って超感動しました(笑)
    やはり、物理は言葉で理解しようとするとろくな事はないですよね(笑)
    尚、ネット上に慣性力は反作用力が存在していないという情報が結構あるようですが、慣性力は反作用力だから、反作用力には反作用力が存在しないという事で問題はないのではないでしょうか(笑)
    追記4:(2023/10/8)
    反作用力は測定可能ですが、測定結果は作用力と反作用力の区別は出来ない事に気が付きました。
    尚、運動学(Wikipedia)の立場からすると、反作用力を無視しないと運動方程式が作れないので、歴史的に反作用力を見かけの力と呼ぶようになったのではないでしょうか。
    因みに、ダランベールは反作用を無視しなかったから、運動学を静力学(Wikipedia)に変換する事に成功したのではないでしょうか。
    関連記事

    コメント

    Re: 追加です。

    >まともな現代物理学者は、「ニュートンが万有引力を発見した」とは思っていないだろうし、言ってもいないでしょう。
    こちらが事実かどうか確認し、事実であればソースを示していただけないでしょうか。

    追加です。

    >>物理学の世界では、「発見した」とはみなしていません。
    >と言われる根拠を見出す事は出来ませんでした。

    との事ですが、そもそも、まともな現代物理学者は、
    「ニュートンが万有引力を発見した」
    とは思っていないだろうし、言ってもいないでしょう。ご紹介のサイトにも書いていないでしょう?
    そう言っている物理学者が今もいるとすれば私は全く評価しません。その理由はもう示しました。
    himajinnohimanaさんが、
    「ニュートンが万有引力を発見した」という事に拘りたいのならそうして下さい。
     という事で、お互い時間の無駄でした。
    この事について、パレスチナ情勢が落ち着いて(当分そうはならないでしょうけれど)気が向いたら、当方の記事にします。

    Re: そうですか?

    http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~teiji.kunihiro/kuni/misc/jyussyu.html
    も見て見ましたが、私には、
    >物理学の世界では万有引力を「発見」した(と)見做し、世の中でもこの事が通用していると思いますよ。
    に対して、
    >物理学の世界では、「発見した」とはみなしていません。
    と言われる根拠を見出す事は出来ませんでした。

    そうですか?

    あなたが、間違っているものでも「発見した」とみなしていると考えるのであれば、それはもう平行線ですね。
    私は物理学を専攻した端くれとして、万有引力の法則は、近似的な仮定で、万有引力の法則では矛盾が生じるから、それは発見とは言えないと考える訳です。

    >>物理学の世界では、「発見した」とはみなしていません。
    >と言われる根拠を見出す事は出来ませんでした。

    と考える方とは、議論の余地はありません。
    これでお仕舞いの獅子舞に致しましょう。

    オマケ

    以下のサイトも物理学の歴史から、ニュートン力学と相対性理論について述べていて、なかなか面白いかもです。
    http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~teiji.kunihiro/kuni/misc/jyussyu.html

    特に
    2.2 万有引力の法則のもたらした宇宙観の変革

    [万有引力の法則はオカルト?]
    が興味深いかと思われます。

    Re: 相対性理論の書物にはほとんど書かれているのではないかと。

    https://mcm-www.jwu.ac.jp/~physm/buturi17/soutaisei/top.html
    https://eman-physics.net/relativity/mercury.html
    を見て見ましたが、私には、
    >物理学の世界では万有引力を「発見」した(と)見做し、世の中でもこの事が通用していると思いますよ。
    に対して、
    >物理学の世界では、「発見した」とはみなしていません。
    と言われる根拠を見出す事は出来ませんでした。

    相対性理論の書物にはほとんど書かれているのではないかと。

     ブルーバックスなどの相対性理論のところにも書かれていると思いますが、ネット上でも直ぐに見つかるでしょう。いいサイトを2つ見付けました。

    https://mcm-www.jwu.ac.jp/~physm/buturi17/soutaisei/top.html

    https://eman-physics.net/relativity/mercury.html

    難しいと思われますが、流し読みでも頑張ってみて下さい。

    Re: 万有引力の法則は間違っていることは証明されてます

    私の
    >物理学の世界では万有引力を「発見」した見做し、世の中でもこの事が通用していると思いますよ。
    に対して、
    >物理学の世界では、「発見した」とはみなしていません。
    との事ですが、こちらのソースを示していただけないでしょうか。
    もし、こちらのソースを示していただければ、私の考え方も進歩するかもしれませんので、どうかよろしくお願いします。

    万有引力の法則は間違っていることは証明されてます

     ないものを発見は出来ません。

    >物理学の世界では万有引力を「発見」した見做し、世の中でもこの事が通用していると思いますよ。

    世間では間違った認識があるかと思いますが、物理学の世界では、「発見した」とはみなしていません。「仮定したけど間違っていた」と言う認識かと思いますよ。

    まあ、ニュートン力学のような古典力学がお好きならご自由に学んで下さい。これ以上の議論はお互い時間の無駄ですね。

    全くの独学でやっているとの事で応援したい気持ちでしたが、目指されている方向が違うようですので、これ以上の助言はしませんが、頑張ってください。

    Re: 万有引力は誰も発見していません。

    >万有引力というものがあれば、力学をうまく説明できるというだけのことです。
    という事を物理学の世界では万有引力を「発見」した見做し、世の中でもこの事が通用していると思いますよ。

    万有引力は誰も発見していません。

     ニュートンが仮定しただけです。万有引力というものがあれば、力学をうまく説明できるというだけのことです。
     現代物理学者の中でニュートン力学が絶対真理だと思っている人はほとんどいないでしょう。
     現代物理学の認識は、ニュートン力学は相対性理論の近似値だということです。光速度に近付いた運動は、ニュートン力学では誤差が大きくなり過ぎ使えません。
     かと言って、相対性理論も絶対真理とは言い難く、あくまで仮説であり、「暫定真理」です。

    Re: リンゴではなくケプラーの法則であろうと

    >「万有引力の法則」は単なる仮説であり、近似式に過ぎないという事です。
    >ニュートンは「万有引力を発見した」のではなく「上手く合う近似式を作った」に過ぎないという事です。
    と言ったところで、どれだけの方が賛同するか分かりませんが、「万有引力を発見した」のがニュートンでなければ、誰が発見したのでしょうか?
    それと、たしかにニュートン力学は相対論的力学と比べれば近似的な理論でしかないですが、物理を良く知っていると思われる人から、ニュートンは「上手く合う近似式を作った」という意味の話を聞いた事がないのは私だけでしょうか?

    リンゴではなくケプラーの法則であろうと

    「万有引力の法則」は単なる仮説であり、近似式に過ぎないという事です。ニュートンは「万有引力を発見した」のではなく「上手く合う近似式を作った」に過ぎないという事です。

     ブルーバックスは高校の同級生が読んでいたので何冊か読んだ記憶がありますが、色々省略が多く、感覚に訴えない印象で、私が読んだ数冊に限れば、あまり読む価値がないと思った記憶です。筆者によっては、上手い解説で分かり易い内容のものもあるのやも知れません。

    Re: ニュートンは万有引力を発見したのではない

    ネットの論議や物理の解説ページを見ていると、万有引力の法則はケプラーの法則から導出され、地上投げ上げた物体も地球の重心だけを考えると厳密には楕円軌道であり、ケプラーの法則が成り立つので、ニュートンは惑星と同様に地上の物体も万有引力の法則を適用出来ると考えたように思えます。
    因みに、義務教育や高校ではこのような歴史的な経緯を教えずに、ケプラーの法則と万有引力の結論だけを教え込んで、簡単に溶ける問題を設定してその問題を解かせて教え込ませるという事しかやっていないので、物事の真実や本質を見ようとする力が養われないのではないでしょうか。

    ニュートンは万有引力を発見したのではない

    >「リンゴが木から落ちるのを見て、ニュートンが万有引力を発見した」
    ということ(考え方)が間違いで、洗脳だと思っております。

    の理由(持論)を書かせて頂きます。
    リンゴが木から落ちるのは、万有引力が無くても、空間の歪みで落ちるのかも知れません。だから
    「ニュートンは万有引力を発見した」と言う表現は間違いで
    「ニュートンは万有引力を作った(仮定した)」のです。
    「ニュートンが万有引力を発見した」と言う表現の洗脳によって科学の進歩は妨げられたと考えます。
    そのいい悪いは別です。

    Re: 全くの独学でここまでやるのは立派です。

    >運動方程式を理解したら、後は量子力学でも統計力学でも、ご自分が関心を持っていることを学んだ方が宜しいかと思います。
    アドバイスありがとうございます。
    実は、最近「高校数学でわかるボルツマンの原理―熱力学と統計力学を理解しよう (ブルーバックス) 新書」という書籍を読み始めたのですが、ニュートン力学で引っかかって中断しています。
    もう2~3日で楕円軌道の運動方程式に関する記事を記してニュートン力学に一旦けりを付けて、上の書籍の読書を再開したいと思っています。

    全くの独学でここまでやるのは立派です。

     でも、ニュートン力学は運動方程式が中心で、あとは、その応用で、枝葉末節です。「真理」とは程遠く、近似的なメカニクスですからあまり深く勉強しても時間の無駄かと思われます。
     運動方程式を理解したら、後は量子力学でも統計力学でも、ご自分が関心を持っていることを学んだ方が宜しいかと思います。

    余計なお世話だと思われたらスルーして下さい。

    そもそも
     「リンゴが木から落ちるのを見て、ニュートンが万有引力を発見した」
    ということ(考え方)が間違いで、洗脳だと思っております。この表現で多くの人が誤解していると思います。

    Re: こちらのプログの記事の感じでは・・

    私は高校をお情けで卒業した人間なので、物理は全くの独学です。
    因みに、ニュートン力学や熱力学や電磁気学を飛ばして相対性理論や量子力学をかじったため、現在は基礎を固めるためニュートン力学を勉強しています。
    ニュートン力学がある程度わかったら、熱力学や統計力学をかじりたいと思っています。

    こちらのプログの記事の感じでは・・

    ここの主であるhimajinnohimanaさんは、物理学専攻だったかと思われますがいかがでしょうか?
    私も物理学科出身ですが、ニュートン力学にはほとんど興味がありません。
     好きなのは統計力学(統計物理学)とそれに準ずる熱力学です。
     もう色々忘れていますから議論出来るかは?ですが。

    Re: お返事遅れました。

    慣性力の解釈の仕方の違いによって不毛な論争が起きていると感じ、こちらの記事を記したという事ですので、どうかご理解をお願いします。

    お返事遅れました。

    >私のブログの記事の何処がどのように分からないのか具体的に教えてもらうえると助かります。 

    との事ですが、私はこの記事を精査して読む気力がありませんので指摘できません。悪しからず。
     私の持論としては、慣性力をみかけの力と呼んでも呼ばなくても解釈の問題だと思うのです。
     慣性力は、「みかけの力」と呼ばずともその系で普通に働く力と区別しなくとも解釈できると思います。
     ニュートン力学はすっかり体系化して仕上がっているもので、解釈だけの違いかと。

    Re: Re: よく理解できません。

    「見かけの力」について誤った理解をしていましたので、記事の内容を大幅に訂正しました。
    宜しければ、記事の内容をもう一度ご確認ください。

    Re: よく理解できません。

    該当のページは
    https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10286186320
    ですが、私の回答は紆余曲折したので、このブログの記事以上に分かりにくいと思いますよ。
    因みに、私のブログの記事の何処がどのように分からないのか具体的に教えてもらうえると助かります。

    よく理解できません。

    そのYahoo!知恵袋(物理)の該当のページのURLを貼って下さいますか?
     私も1度、他の方とコリオリ力について論争したことがあります。相手は「コリオリ力」は慣性力では説明できないことがあると言っていましたが、私はそんなことは無いと論証した記憶があります。
    非公開コメント

    アクセスランキング

    FC2カウンター

    ブロとも一覧

    最新記事

    QRコード

    QR