2021/02/24
日本の食品中の放射能基準について
福島県沖 クロソイから基準超の放射性物質 出荷を停止(NHK 2021年2月22日)の話題が出て、私も日本や他国の食品中の放射能基準について良く分かっていなかったので、きちんと調べて見ました。
福島第一原発事故直後に出された基準だと思うのですが、厚生労働省の(参考資料5)海外における食品中の放射性物質に関する指標を見ると、コーデックス(Wikipedia)とEUの介入レベルは1mSvで、アメリカは5mSvとされているようです。
日本は、福島第一原発事故直後に介入レベルを多分1mSvから5mSvに引き上げたと思いますが、
2012年の4月に1mSvに設定して戻したようです。*1
介入レベルだけで考えると、現時点の基準は日本とコーデックスとEUの基準は同じです。アメリカの介入レベルは5mSvで高いですが、厚生労働省の(参考資料5)海外における食品中の放射性物質に関する指標の内容を良く見ると、発癌性が高いストロンチウムや放射性ヨウ素やプルトニウムやアメリシウム等の基準は厳しくなっています。
また、EUにしても、ストロンチウムや放射性ヨウ素やプルトニウムやアメリシウム等の基準が明記されています。
一方、厚生労働省の資料2 食品中の放射性物質の 新基準値及び検査について 厚生労働省医薬食品局食品安全部を見ると、「セシウム以外の影響を計算に含めた上で、比率が最も高く、測定が容易なセシウムを指標としている。」とされていますから、現在の基準では、セシウム以外の放射性核種は測定しなくても良いと言っているように私には受け止められます。
また、リンクで示した資料のP9(PDFとしてはP5)を見ると、例えば1歳未満の限度値が460bqになっていますが、全く意味が分かりません。*2
それと、もしかしたら、この前とれた500Bq/Kgのクロイソも、セシウム以外の核種を測定すれば、アメリカやEUの基準に引っかかる可能性もあるのではないでしょうか。
それと、もしかしたら、この前とれた500Bq/Kgのクロイソも、セシウム以外の核種を測定すれば、アメリカやEUの基準に引っかかる可能性もあるのではないでしょうか。
これでも日本の食品中の放射能の基準は、EUやアメリカより厳しいといえるのでしょうか。
*1 介入レベルとは、一年間に食品を通じて人体に取り込まれる放射能の限度量です。
*2 てくてくブログの食卓の放射能汚染から身を守るにはの「4.小さい子のいのちを守ること」を見てください。
追記:
厚生労働省の(参考資料5)海外における食品中の放射性物質に関する指標「EUについては、追加の被曝線量が年間1 mSvを超えないよう設定され、人が生涯に食べる食品の10%が規制値相当汚染されていると仮定。」と「米国については、預託実効線量5mSvを採用し、食事摂取量の30%が汚染されていると仮定。」とされている事に注意してください。
追記2:
見逃した方のために…NHK 追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺れる国際基準」文字起こし(日本原子力学会)によると、チェルノブイリ原発事故では、食品汚染の上限を300Bq/kgにし、内部被曝量を1mSv/年以下にしても癌になる人が増えたそうですが、低線量被曝の危険性についてもどうか見てください。
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