核燃料のリラッキングの危険性について

日本では、核燃料の再処理がうまく行かず、苦肉の策として、電気事業連合会の貯蔵能力拡大の具体例で説明している核燃料のリラッキング(使用済燃料プールの貯蔵能力の拡大)を行っているのですが、この危険性について記したいと思います。*1
(1) 核燃料プール内の核燃料の重量が増加し、地震等で核燃料プールに亀裂が入ったり崩壊する等して、使用済み核燃料を冷却出来なくなる危険性が高まる。
(2) 核燃料間の距離が短くなるため、核燃料の配置を誤ったり、ホウ素入りの核燃料ラックの定期交換を怠る等した場合、臨界事故が発生する危険性が高まる。
(3) 核燃料プール内の熱量が増えるため、核燃料プールで冷却系が停止した場合の冷却再開までの猶予時間が少なくなる。
(4) 核燃料の総量が増えるため、作業員の被曝量が増加する。
*1 仮に核燃料の再処理がうまくいったとしたら、核燃料の再処理の危険性と問題性についてで説明した通り、さらに大きな問題がある事に注意してください。
追記:
核燃料のリラッキングを行っても使用済み核燃料の保管場所が足りなくなっているため、青森の中間貯蔵施設 むつ市が共用案に反発(日経新聞)という問題が起きているようです。
追記2:
核燃料プールに関連して、環境金融研究機構の東電福島第一原発の4号機プール。「冷却水漏えいで大規模火災の寸前だった」。米学術機関の全米アカデミーズが認定。各地の原発事業者に燃料プールの管理厳格化を勧告(RIEF)という情報を発見しましたので、見てもらいたいのですが、この中の「3号機」は全て「4号機」が正解のようですので、注意してください。
追記3:
各原発の核燃料プールの状況は、電気事業連合会の使用済燃料貯蔵対策の取組強化について(2018年11月20日)のP5を見てもらいたいのですが、福島第一原発の4号機で(1)の懸念が現実化した可能性がある事については、福島第一原発の4号機の爆発についてを見てください。
追記4:
使用済み核燃料の置き場所がなくなって来ている事については、原発の『使用済み核燃料』はどこへ?を見てください。
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