2023/06/26
「白血病における2006年問題」をご存じでしたか?(2)
六ケ所再処理工場でどれだけトリチウムが放出されるのか分からないか忘れている方が、ドヤ顔で中国の複数原発がトリチウム放出、福島「処理水」の最大6・5倍…周辺国に説明なしか(読売新聞 2023/06/23)の記事を取り上げているようですが、六ヶ所再処理工場#放出される放射性物質(Wikipedia)によると、六ケ所再処理工場が順調に稼働した場合、気体と液体のトリチウムを合わせるとおそらく年間2京Bqというとほうもない量のトリチウムを放出する事になると思いますので、読売新聞の理屈に基づけば、日本の方こそ周辺国に説明をすべきではないでしょうか。*1
ただし、この読売新聞の報道を見て、私の脳内に凄い稲妻が走り、「白血病における2006年問題」をご存じでしたか?を思い出し、中国の原子力発電所(Wikipedia)を確認して見たのですが、2002~2007年にかけて8機もの中国の原発が稼働している事が分かり、8機のうち6機がBWRよりはるかに多くのトリチウム放出するPWRで2機がPWR以上にトリチウムを放出するCANDU炉(重水炉)である事が分かりました。*2
したがって、「白血病における2006年問題」は、六ケ所再処理工場の影響が一番大きいのではないかと思いますが、中国の原発の増加も絡み合っていると考えたほうが良いのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。
*1 経済産業省のトリチウムの性質等について(案) (参考資料)のP7の「世界の原子力発電所等のトリチウム年間放出量」を見ると、ラ・アーグ再処理施設と六ケ所再処理工場と似たような放出量なので、これで間違いはないのではないでしょうか。
*2 PWRとCANDU炉(重水炉)がBWRよりもはるかに多くのトリチウムを放出する理由は、どうしてトリチウムは危険なのか(2)の*2と*3と*4を見てください。
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