2023/04/18
平坦な時空の回転系の計量について(2)
平坦な時空の回転系の計量についてで紹介した、ds^2=-(1-(rω/c)^2)(cdt)^2+2r^2ωdφdt+dr^2+(rdφ)^2は、Born_rigidity(Wikipedia)によると、ジョルジュ・ルメートル(Wikipedia)が提唱したもののようですが、暇なので、この計量で回転系の時間の進み方を計算するといかにグダグダになるのかという事を念のため示しておきたいと思います。
単純な回転運動を行っている物体の系はdr=0なので、上の計量を西海岸方式に変換するとds^2=(1-(rω/c)^2)(cdt)^2-2r^2ωdφdt-r^2dφ^2と出来ますが、ds,dtに「'」を付けてds',dt'とすると、ds'^2=(1-(rω/c)^2)(cdt')^2-2r^2ωdφdt'-r^2dφ^2となります。
そして、dx=dy=dz=0の場合のミンコフスキー計量はds^2=(cdt)^2ですが、両者の計量を等号で結ぶと
(1-(rω/c)^2)(cdt')^2-2r^2ωdφdt'-(rdφ)^2=(cdt)^2
となり、左辺等辺を(cdt)^2で割ると
(1-(rω/c)^2)(dt'/dt)^2-2r^2ωdφdt'/(cdt)^2-(rdφ/cdt)^2=1
となり、2r^2ωdφdt'/(cdt)^2の分母と分子にωを乗じると
(1-(rω/c)^2)(dt'/dt)^2-2(rω)^2dφdt'/(ω(cdt)^2)-(rdφ/cdt)^2=1
となり、dφ/dt=ωとすると
(1-(rω/c)^2)(dt'/dt)^2-2(rω)^2dφdt'/((dφ/dt)(cdt)^2)-(rω/c)^2=1(1-(rω/c)^2)(dt'/dt)^2-2(rω)^2dt'/(c^2dt)-(rω/c)^2=1
(1-(rω/c)^2)(dt'/dt)^2-2(rω/c)^2(dt'/dt)-(rω/c)^2=1
となります。
そして、dt'/dt=χ,η=(rω/c)^2と置くと
(1-η)χ^2-2ηχ-η=1
(1-η)χ^2-2ηχ-(1+η)=0
となり、この二次方程式を解くと
χ=(2η±√(4η^2+4(1-η)(1+η)))/2(1-η)
χ=(2η±2√(η^2+(1-η)(1+η)))/2(1-η)
χ=(η±√(η^2+1-η^2))/(1-η)
χ=(η±1)/(1-η)
χ=(1+η)/(1-η),-1
dt'/dt=(1+(rω/c)^2)/(1-(rω/c)^2),-1
というぐだぐだな結果になります。
私は、上で得られた解は平坦な時空の回転系の計量についてで説明した通り非物理的な解であると思っていますが、文句はないですよね(笑)
コメント