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    どうして温室効果気体で大気が温められるのか(2)

    どうして温室効果気体で大気が温められるのかで、日本分光の赤外分光法の原理を紹介しましたが、Yahoo!知恵袋(化学)で、赤外分光法の原理の結論は信じるけれど、二酸化炭素が赤外線を吸収すると温められる理屈が分からないと質問を行われた方がいて、直感的な説明を重視する私でも直感的な説明は思いつかなかったので、物事のつじつまから説明する説明を思いつきました。
    私は、赤外分光法の原理の中の「2つの振動が互いに打ち消しあうものは、赤外吸収をしないということです。」という理由を説明すれば、逆対称伸縮振動等では赤外線を吸収する事が理解出来た気になってもらえるのではないかと考えて、対称伸縮振動では赤外線を吸収しない理由を考えて見ました。*1
    そこで思いついたのは、光子は運動量を持つという事と、運動量はベクトル値なので、対称伸縮振動では収縮振動の対称性によって打ち消しあいが起きて系全体の分子振動の運動量のノルムは常に0になるという事でした。
    これらの事を考慮すると、対称伸縮振動では分子振動の系全体の運動量のノルムは常に0なので、光子の運動量を吸収出来る訳がないという事になります。
    一方、例えば逆対称伸縮振動では分子振動の系全体の運動量のノルムの最大は正定値になり、その正定値をPとすると、E=hν=Pc,P=hν/cなので、v=Pc/hの周波数の赤外線をCO2が吸収すると、逆対称伸縮振動が起きる事になるのではないでしょうか。*2
    これ以上分かりやすい説明があるかどうか分かりませんが、この程度の説明で分かった気になっていただければ、地球温暖化の危険性について目を覚ます方が一定程度はいらっしゃるのではないかと期待しますが、期待しすぎでしょうか(笑) *3
    *1 赤外分光法の原理では、「直線状分子のCO2の場合、対称伸縮振動は双極子モーメントが変化しないため赤外光を吸収しませんが、逆対称伸縮振動は双極子モーメントが変化する為、赤外光を吸収します。」というように、双極子モーメントに基づいた説明を行っていますが、私はこの説明の仕方がよくないと思っています。
    *2 E=hνというのは、光量子仮説に関するアインシュタインの関係式と言われるものですが、E=pcになる理由については、電磁波がE=pcになる理由についてを見ください。
    *3 地球温暖化で最も危険なのは海面上昇だと思いますので、南極の氷床は大丈夫なのでしょうかねを見てください。
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