2023/01/21
これがスマートに解けたらあなたもニュータイプ?(2)
Yahoo!知恵袋(数学)を見ていたら、一見すると簡単そうに見えるけれど、なかなか面白い問題が出ていたので、暇つぶしのために紹介させていただきます。
問題は、lim[n→∞](√(n+5)-√(n+3))/(√(n+1)-√n)の極限値を求めよというものでした。
簡単に考え付くのは、分子と分母をそれぞれ√nで割り、lim[n→∞](√(1+5/n)-√(1+3/n))/(√(1+1/n)-1)に変形する事だと思いますが、このままではnを無限に近づけても分子も分母も0に近づくので、極限値を求める事が出来ません。
そこで私が思いついたのは、√xのf(1)=1を利用したテイラー展開の1+(x-1)/2-(x-1)^2/8・・・を利用すると、√(1+x)=1+((1+x)-1)/2-((1+x)-1)^2/8・・・=1+x/2+x^2/8・・・となり、第3項以降を無視して、lim[n→∞]((1+5/2n)-(1+3/2n))/(1+1/2n)-1)=(2/2n)/(1/2n)=2というようにして極限値を求める方法でしたが、これでは全くニュータイプらしくないですよね。
そうこうしているうちに、この問題に対して回答がついたのですが、その内容は、(√(n+5)-√(n+3))/(√(n+1)-√n)の分子と分母にそれぞれ(√(n+5)+√(n+3))(√(n+1)+√n)を乗じるというもので、途中の計算を省略しますが、(√(n+5)-√(n+3))/(√(n+1)-√n)=2(√(n+5)+√(n+3))/(√(n+1)+√n)と変形出来て、分子と分母をそれぞれ√nで割り、結果的にlim[n→∞]2(√(1+5/n)+√(1+3/n))/(√(1+1/n)+1)=2(1+1)/(1+1)=4/2=2というようにして極限値を求めるというものでした。
上の方法は「有理化」という方法らしくて、分子と分母を同時に有理化する事によって無理式の表現が変わり、極限値を求められるようになったといういう事のようです。
まあ、テイラー展開を使うほうが汎用性はあると思いますが、戦場で悠長にテイラー展開なんかやっていたら戦死は免れないと思うので、Yahoo!知恵袋での戦いにも言える事ですが、久々に高校数学の問題(?)に取り組んで見て、ニュータイプは理論的な武器をきちんと揃えて頭の中で整理整頓し、いつでも実戦に使える状態にしておく事が重要だという事を再確認する事が出来ました(笑)
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