リンパ腺転移率が術後で77.6%でも放射能とは無関係?

Yahoo!知恵袋(原子力災害)で、【検証・県民健康調査】「甲状腺検査」意義と問題...精密に議論を(福島民友 2021年01月14日)の「甲状腺検査で見つかった甲状腺がん138症例を調べた結果、がんの病理学的分類や、遺伝子異常のパターンがチェルノブイリとは異なっていたとする内容。福島県で見つかっているがんに放射線が影響しているとは考えにくいことを、病理の形や遺伝子から裏付けた形だ。」という内容を示している方がいらっしゃったので、医学をほとんど知らない高卒の分際で、生意気にファクトチェックらしきものを行って見ました。
この内容は、J-STAGEの福島で発見された小児若年者甲状腺癌についての事についていわれていると思うのですが、この内容を見て見ると、
(1) 「その特徴は,比較的早期の例に集中してはいるものの,術後リンパ節転移78%,甲状腺被膜外浸潤39%であり通常の臨床の手術適応に準拠したものとなっている。」
(2) 「男女比は1:1.8と成人の甲状腺に比し性差が小さかった[4, 8]。」
(3) 「125例の報告例では,121例が乳頭癌,3例が低分化癌,1例がその他であった。その後県民健康調査検討委員会では甲状腺癌取扱規約に準拠して最終組織型を報告していたが,同規約の7版の改訂によって,低分化癌の2例が乳頭癌充実亜型に再分類されている。」
(4) 「福島での138例での検討は図 1[11,12]に示す様に本邦の成人例の乳頭癌症例に近い遺伝子プロファイリングを示し,チェルノブイリの放射線誘発例とは大きく異なっていることがわかる。」
(5)「術後病組織像としては乳頭癌が大半である。しかも小児に特徴といわれる濾胞型,びまん性硬化型,充実型など乳頭癌亜型はわずかであり,大半は古典型(通常型)の乳頭癌であった。」
という事が記されている事が分かりました。
(1)については、福島で発見された多数の小児甲状腺がんは悪性度が高く、即座に手術をしなければ命に関る事を示していると思いますし、私は証拠は示せないのですが、原発推進派が主張している通り、自然発生の小児甲状腺がんではこのような事にはならないのではないでしょうか。
(2)についてはチェルノブイリと全く同じパターンで、小児の場合で普通は性差はもっと大きいので、福島の小児甲状腺がんが放射線のせいである事を最も鮮やかに示しているデータのはずなのに、この事については見事にパスしているように見えます。*1
(3)の「低分化癌」というのは、ネット情報によると、未分化がんに次いで悪性度が高いがんで、甲状腺がんは高分化がん→低分化がん→未分化がんと変化して悪化して行くそうですが、2つの低分化がんの症例が低分化がんから外された学術的な理由が明記されていないようです。
(4)については、pdfファイルとしてのP5をの「図1」の円グラフを見ると、遺伝子の変異のパターンは確かに日本の「成人散発例」と近いですが、pdfファイルとしてのP2の「5 )遺伝子検査」では「現時点では本検査施行で放射線の影響があったかどうかの証明には直接には利用できない。」とされていますので、そのようなものとして理解する必要があるのではないでしょうか。
(5)については、「病理の形」が通常と異なる事を示しているのではないでしょうか。
*1 pdfファイルとしてのP4の「表2」に、ほぼ同様の年齢の男女比が比較出来るデータが記されていますが、福島県の小児甲状腺検査の結果を見やすくして見ましたの(2)も見てください。
追記:(2022/11/27)
放射性ヨウ素の恐ろしさについて(3)の「追記:」にかなり重要な内容を記しましたので、こちらも見てください。
追記2:(2023/3/25)
(4)の理由を説明出来る仮説を考えましたので、福島の甲状腺がんの遺伝子異常の特徴が分かりました!?を見てください。
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