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    2013年の国連人権委員会報告の内容は何だったのか

    2013年の国連人権委員会報告というのは、ヒューマンライツ・ナウの福島・グローバー勧告関連に詳しく示されている報告なのですが、Yahoo!知恵袋(原子力災害)で回答していて、私自身がこの報告の内容をよく分かっていなかったことに今頃気が付いていたので、また、英語圏では「神は細部に宿る」という格言もあるので、福島・グローバー勧告関連の内容をよく見て見ました。
    ヒューマンライツ・ナウの(クローバー報告の勧告部分のみ)を見ると2013年の国連人権委員会報告の核心的な内容は「放射線被ばくの健康への正確な影響は、いまだ明らかになっておらず、低線量被ばくの長期的な影響も依然研究中である。」(P5)「国際放射能防護委員会(ICRP)でさえ、発癌又は遺伝的疾患の発生が、約 100mSV 以下の放射線量の増加に正比例するという科学的可能性を認めている。さらに、低線量放射線による長期被ばくの健康影響に関する疫学研究は、白血病のような非固形癌の過度の放射線リスクに閾値はないと結論付けている。固形癌に関する付加的な放射線リスクは、直線的線量反応関係により一生を通し増加し続ける。 」(P22)から「国連特別報告者は、日本政府に対して、できるだけ早く年間放射線量を 1mSv 未満に減少するということを目標とした、長期的な除染政策を緊急に策定することを要請する。」(P26)という事だと思います。
    そして、ヒューマンライツ・ナウのグローバー報告に対する日本政府の見解・コメントを見ると、クローバー報告の核心部分を見事に無視して、年間許容放射線量を20mSvにする事を正当化しているのです。
    また、(クローバー報告の勧告部分のみ)の中で示されている、「 日本の原発事故は、避難者及び居住者の、健康に対する権利に一様に悪影響を及ぼし、特に、妊婦、高齢者、及び子どもの身体的・精神的健康に影響を与えている。」(P5)の中に含まれていると思うのですが、放射能の感受性は年齢が低いほど大きいという事実や肉体や精神の健康状態を無視して、年齢や条件にかかわらず一律に年間許容放射線量を20mSvにする事を正当化しているのです。*1
    それと、グローバー報告に対する日本政府の見解・コメントの「文部科学省による月間降下量測定によると、 放射性ストロンチウム( Sr-90)の濃度は、放射性セシウムの 1/19,000~1/600 であった[1] 。そのため、住民を対象とした健康管理で、尿中の放射性ストロンチウム(  Sr-90)の濃度を測定する強い動機は見当たらない。この科学的根拠により、福島県民の健康管理においては、ホールボディカウンター(WBC)による内部被ばく量の検査を行っている。」(P11)の部分についてですが、私は文科省の公表結果は信頼していませんが、日本政府は放射性ストロンチウムの生体濃縮の影響を一切無視しているという事ではないでしょうか。*2
    因みに、「日本政府は、既に  SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の結果を公表した。 」(P4)とされていますが、こちらの件については、何故SPEEDIはスピーディーに生かされなかったのか何故SPEEDIはスピーディーに生かされなかったのか(2)を見てください。
    *1 てくてくブログの食卓の放射能汚染から身を守るにはの「4.小さい子のいのちを守ること」を見てもらいたいのですが、文科省の放射線副読本(令和3年改訂(令和4年一部修正))(PDF版)では、(クローバー報告の勧告部分のみ)の「子どもは被ばくに対して特に脆弱であるという事実について、学校教材等で正確な情報を提供すること。 」(P36)も2013年の国連人権委員会報告の核心的な内容も全く無視されているようです。
    追記:
    福島第一原発事故とチェルノブイリ原発事故の避難基準を比較すると、日本政府の人権感覚の酷さが分かると思いますので、みんなのデータサイトのチェルノブイリ法のゾーン区分と日本の比較表を見てください。
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