2022/01/27
福島県の小児甲状腺検査の結果を見やすくして見ました
福島で甲状腺がんになった若者が訴えを起こしたそうですでお知らせした通り、福島県の若者が勇気を出して訴えを起こしたので、私も頑張って、福島県の第18回甲状腺検査評価部会(令和4年1月18日)の資料についての中の参考資料7 甲状腺検査結果の状況 [PDFファイル/458KB]のデータやがん情報サービスのcancer_incidence(1975-2015).xls(2,222KB)のデータを分析するためにデータを見やすくして見ました。*1
そして、データを見やすくする事により、福島県の小児甲状腺検査では、
(1) 自然発生の甲状腺がんであれば、年齢が上がるにつれて甲状腺がんの発生率が増えるので、検査年齢が上がるにつれて甲状腺がんが発見される割合が高くなるはずなのに、19歳前後から甲状腺がんが発見される割合が逆に低くなっている。*2
(2)「悪性ないし悪性疑い」の男女比は、令和3年10月15日時点では男:女=102人:164人なので女性は男性の約1.6倍だが、3番目にアップしたがん情報サービスのcancer_incidence(1975-2015).xls(2,222KB)の2000年から2010年の20歳未満の甲状腺がんの罹患率のデータに基づいて作成したグラフのデータでは女性は男性の約3.6倍なので、男女比が2倍以上異なる。*3
(3) 検査の年次が進むにつれて「悪性ないし悪性疑い」と判定される者の原発事故当時の年齢が低年齢化しているが、この事は、原発事故当時の年齢が低い場合は、甲状腺がんが発症するまでに長期間かかる事を示している可能性がある。
(4) 小児甲状腺がんの発見数の最初のデータは3年度合計データで、その後は2年度合計データなので、原発事故後から1年度毎の小児甲状腺がんの発見率の推移を見たくても見れない状況になっている。
という事が分かると思いますが、原発推進派の方は、これでも福島県の小児甲状腺がんの多発は「過剰診断」によるものだと言われるのでしょうかね。
因みに、福島の小児甲状腺がん180例を症例報告〜「過剰診断」を否定(OurPlanet-TV 2020/01/31)を見ると、小児甲状腺がんの切除のための執刀を行って来た鈴木教授は、「過剰診断」については微妙な言い回しをしているようですね。
*1 グラフの縦軸の単位は人で、「悪性ないし悪性疑い」の男女の合計数を表しています。
*2 こちらの内容は、年齢が上がるほど受診対象者の受診率が低下していた事によって説明が可能である事が分かりましたが、恐らく、甲状腺に腫瘍がある事を自覚した受診対象者は進んで受診する可能性が高いと思いますので、とりあえずこのままとしました。
*3 グラフの縦軸の単位は人口10万人当たりの罹患率で、年齢区分毎の罹患率を単純に積み上げています。
追記:
原発事故後の未公表データで食品から高濃度のヨウ素132〜福島県(OurPlanet-TV 08/25/2021)を見て、福島県の小児甲状腺検査の結果が「過剰診断」の結果である訳がないと確信するのは私だけではないと思いますが、放射性ヨウ素の恐ろしさについて(2)も是非とも見てください。
追記2:(1)の事実を明確化するため、一番最後にcancer_incidence(1975-2015).xls(2,222KB)の2000年から2010年の甲状腺がんの罹患率のデータに基づいて人口10万人当たりの年齢等級別の罹患率を単純に平均化したグラフを作成して追加しました。
追記3:
「小児甲状腺がんの潜伏期間は1年7ヶ月!?」だそうですも見てもらいたいのですが、この内容に基づいて、(4)を追加しました。
追記4:(2022/11/22)
*2の注釈を挿入しました。
追記5:(2022/11/27)
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