2021/06/02
核燃料の再処理の危険性と問題性について(2)
核燃料の再処理の危険性と問題性についてで記すのを漏らした内容を思い出したので、以下の通り追加させていただきます。
(11) 再処理はウラン資源の枯渇対策とされているが、使用済みMOX燃料からも劣化ウランやプルトニウムを回収しようとすると、九州電力の見解12を見てもらえば分かる通り、再処理を行うまでかなりの期間冷却を行わなければならず、放射線量や発熱量の関係で、再処理時の作業被曝量やコストが非常に多くなると考えられるので、ウラン資源が枯渇すれば実質的に原発の稼働は不可能となると考えられる。*1
(12) 日本では再処理によって発生する高レベル放射性廃液のガラス固化の技術が何時まで経っても成功しないため、高レベル放射性廃液が溜まり続け、高レベル放射性廃液を冷却するための電力が増えていると考えられる。*2 *3 *4*1 九州電力のこちらを見ると、現時点では使用済みMOX燃料から劣化ウランを分離して再利用する技術は実験レベルでしか確立されていないようです。
*2 日本で高レベル放射性廃液のガラス固化が成功しないため、結局イギリスやフランスに使用済み核燃料の再処理を依頼しているのですが、イギリスやフランスに再処理を依頼すると、MOX燃料と一緒に冷却が必要な高レベル放射性廃液を固化したガラス固化体も返って来る事に注意してください。
*3 東海再処理施設 耐震強化へ地盤工事開始 高レベル廃液貯蔵建屋周辺 (東京新聞 2020年9月30日)によると、東海再処理施設では、「HAWには約三百六十立方メートルの廃液が残されたまま。」だそうですが、高レベル放射性廃液の危険性は、核燃料の再処理の危険性と問題性についての(4)を見てください。
*4 ガラス固化体(電気事業連合会)によると、「ガラス固化体は、最初、強い放射線を発し、製造直後の表面温度は200℃を超えます。冷却のため、専用の貯蔵施設で30〜50年間冷却しながら貯蔵され、その後、搬出して300メートル以深の深い地層中に処分されます。」との事です。
追記:
プルサーマル運転の危険性と問題性について(3)も見てください。
追記2:
核燃料の再処理の危険性と問題性について(3)も見てください。
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