双子のパラドックス(Wikipedia)についてネットを調べても、結局双子の間の時間差を定量的にスッキリと説明していると思える記事が見当たらなかったので、正しいという保証はありませんが、双子の間の時間差を計算する方法を以下に記したいと思います。 x’=0で等加減速を開始した系の計量はds'^2=(cdt'/[等加減速による時間の遅れ])^2-dx'^2
[等加減速による時間の遅れ]=lim[n→∞]{(1/(1+|a'x'|/nc^2))^n}=1/e^(|a'x'|/c^2)
と思えるので、目的とする計量を
ds'^2=(cdt'/(1/e^(|a'x'|/c^2)))^2-dx'^2=e^(2|a'x'|/c^2)cdt'^2-dx'^2
と仮定し、静止系の計量をdy=dz=0としてds^2=(cdt)^2として両辺の計量を等号で結ぶと
(cdt)^2=e^(2|a'x'|/c^2)cdt'^2-dx'^2となり、両辺をcdt'^2で割ると
(dt/dt')^2=e^(2|a'x'|/c^2)-(dx'/dt')^2/c^2となりますが、dx'/dt'=v'とすると
(dt/dt')^2=e^(2|a'x'|/c^2)-(v'/c)^2
dt/dt'=√(e^(2|a'x'|/c^2)-(v'/c)^2)dt=√(e^(2|a'x'|/c^2)-(v'/c)^2)dt'
t=∫[0→t']√(e^(2|a'x'|/c^2)-(v'/c)^2)dt'となり、x'=x'(t'),v'=v'(t')とすればt=∫[0→t']√(e^(2|a'x'(t')|/c^2)-(v'(t')/c)^2)dt'となります。*1 *2
そして、この定積分をt=t(t')とし、双子の一方は原点に留まり続け、双子のもう一方が乗ったロケットをt0=t0'=0で原点で発射して等加減速してロケットの系の固有時t1'にX地点に到達し、方向を反転して再度等加減速してロケットの系の固有時t2'に原点に戻って来る場合、t1',t2'を静止系の固有間に変換すると、t1=t(t1')>t1',t2=t(t2')>t2'となるはずです。
*1 [等加減速による時間の遅れ]=lim[n→∞]{(1/(1+|a'x'|/nc^2))^n}とした理由は、よく見る相対論の誤解のP4の「一様でない重力の場合」を読むと、等加減速系の場合はx'を微小区間に分割して微小区間の時間の遅れを1/(1+|a'⊿x'|/c^2)とし、この時間の遅れを累乗して集積して等加減速系の計量を構成するのが適切だと考えたからです。 *2 |x'|と|x'(t')|は等加減速運動を開始した地点からのx座標上の距離を表しています。
追記:
追記2:
等加減速系の計量のa'x'(t')を|a'x'(t')|としたのは、ロケットが前に加速しても後ろに加速しても静止系から見た時間の遅れは変わらないと考えないと不合理ですし、減速という運動は進行方向に向かって正反対に加速するする事と等しいからです。
そして、よく見る相対論の誤解のP4にある「図6. 超高層ビル」のg1~gNについては、等加速後に等減速を行った場合、等加速区間はg1~gk=a',等減速区間はgk+1~gN=-a'なので、g1~gN=|a'|と評価すれば、等加速後と等減速を混合しても上で求めた計算が成立する事になると思いますが、厳密な証明は、相対性理論を真面目に勉強する気がある方にお任せします(笑) 追記3:(2023/4/22→2023/9/6訂正)
等加減速系の計量のa'x'(t')を絶対値化して|a'x'(t')|とする理由は、|a'x'(t')|としなければdt/dt'の時間反転対称性が崩れてしまうという事に気が付きましたが、等価原理自体が人為的な仮定なので、私の計算法が正しいかどうかは、E=mc^2と同様に実験によって確かめるしかないという事にしてください(笑)
追記4:(2023/8/28)
等加減速系の計量にa'x'(t')ではなくて|a'x'(t')|を採用する理由に、t=∫[0→t']√(e^(2|a'x'(t')|/c^2)-(v'(t')/c)^2)dt'の√の中が負にならないようにするためという事を記すのを忘れていましたが、√の中が負になってしまったら、平坦な時空で何が何だか分からなくなってしまうため、√の中が負にならないようにするためにも、|a'x'(t')|としなければならないという事にしてください(笑)
追記5:(2023/9/3)