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    何故SPEEDIはスピーディーに生かされなかったのか

    昨日、福島第一原発事故から10年の節目という事で、事故発生時の様子がどうだったのかという事がTVで放映され、たしか、SPEEDIの情報がスピーディーに生かされず、どの程度の期間か分かりませんが、線量の高い地域に避難させられたという話があった事を思い出しました。
    日本政府がもしこの問題の原因をハッキリとさせてきちんとした対策を立てていないとすれば、再度原発事故が起きた時に、同じ事がまた繰り返されるのではないでしょうか。
    それと、SPEEDIとは直接関係ないかもしれないですが、高崎に設置されたCTBT放射性核種探知観測所における放射性核種探知状況(2012年4月15日時点)のP4によると、3/14の3号機の爆発の翌日の3/15と3/20-21にかけて、凄い量の放射性物質が放出されていた事が分かります。
    しかしながら、当時はこの情報を日本政府が公表したりマスコミが報道しなかったため、屋外でマスクをつけずに平気で過ごしていた方が多くいらっしゃいましたよね。*1
    とか言っていたら、福島第一原発事故直後、東京から名古屋や京都や大阪あたりに避難した人が大勢いらっしゃった事を思い出したのですが、その様な方は、一体どのような情報に基づいて避難されたのでしょうかね(謎)
    *1 高崎に設置されたCTBT放射性核種探知観測所における放射性核種探知状況(2012年4月15日時点)データが所々欠落している事とプルトニウムやストロンチウム等の測定値が抜けている事に注意してください。
    追記:
    SPEEDIの件については、福島県のSPEEDI電子メールデータ削除問題についてこちら(日本テレビ 2012年1月17日)横須賀基地の原子力空母出港へ、原発事故影響懸念か/神奈川 横須賀基地の原子力空母出港へ、原発事故影響懸念か/神奈川(神奈川新聞 2011年3月19日(土))という報道もありますので、どうか見てください。
    追記2:
    福島第一原発事故直後の放射能の大量放出については、本件に関連していますので、どうか見てもらいたいのですが、何故SPEEDIはスピーディーに生かされなかったのか(2)も見てください。

    どうしてトリチウムは危険なのか

    処理済みの汚染水の中に大量に含まれているトリチウムの安全神話に騙されている人がいらっしゃる事が分かったので、どうしてトリチウムが危険なのかという事を説明したいと思います。
    トリチウムは通常の水素の原子核に中性子が二つ加わった三重水素(Wikipedia)と言われるものですが、半減期が約12年の放射性元素で、このトリチウムが結合している水の分子がトリチウム水です。
    トリチウムは、中性子照射による核分裂や水を構成している水素原子核に対する中性子照射による水素原子核の高次化によって生成されます。*1
    トリチウムは化学的な性質が通常の水素に非常に近いので、体内に吸収すると、当然吸収の仕方によって比率が変わりますが、一定の部分がDNA(Wikipedia)に組み込まれてしまう事になりますし、後程説明しますが、トリチウムも生体濃縮が起きると言われています。
    そして、DNAの塩基に組み込まれたトリチウムが崩壊すると、化学的な結合力が存在しないヘリウム(Wikipedia)に変化し、DNAの塩基が破壊されて、100%の確率でDNA鎖切断されるのです。
    また、トリチウムがβ崩壊時に発生するβ線のエネルギーは低いから大丈夫だと言われていますが、まさにエネルギーが低いためにβ粒子の速度が遅くて飛程(ATOMICA)が大変短いため、DNAの塩基に組み込まれた場合、トリチウムがヘリウムに崩壊して破損した塩基の近くの塩基やDNA鎖が破壊される確率が高いので、DNAの二本鎖切断が起きる確率が高くなります。
    そして、対になったDNA鎖が二本とも切断されてしまうとDNAを正しく修復出来なくなる可能性が高まり、DNAが変異して細胞ががん化する確率が高くなるのです。
    それと、汚染水、浄化後も基準2万倍の放射性物質 福島第一原発(朝日新聞 2018年9月28日)たまる汚染水120万トン処理の流れは 7割が基準超え(朝日新聞 2020年7月20日)という話もあるので、処理済みの汚染水は水で薄めてそのまま海洋放出すべきではないと考えます。*2
    *1 「高次化」は、原子核が中性子を吸収して中性子数が多い同位体に変化する事です。
    追記:
    また、放射線量の影響に閾値がない事については、低線量被曝の危険性についてを見てください。
    追記2:
    追記3:(2023/9/28訂正)
    トリチウムはDNAに取り込まれなくてもβ線のエネルギーが低くてベータ粒子が遅いため、どうしてX線は危険なのかで説明した「電離密度」(LET)が高く、この意味でも二本鎖切断の確率は高いのです。
    また、トリチウムのβ線のエネルギーが低いと言っても、最大の場合は有機化合物を破壊するために必要なエネルギーの約千倍程度はありますから、細胞内にトリチウムが取り込まれればDNAや細胞を損傷させるには十分なエネルギーを有しています。
    追記4:
    トリチウムがDNAの塩基に取り込まれた場合にどうして二本鎖切断が起きやすくなるのかについて、どうしてトリチウムは危険なのか(5)で分かりやすい図で説明していますので、どうか見てください。
    追記5:(2021/12/4)
    二本鎖切断してもたまたま正常に修復される確率がないとは言えないので、二本鎖切断の説明の記述を修正しました。
    追記6:(2023/7/30)
    トリチウムの生体濃縮について記している後続の記事を見てもらえるようにするため、「後程説明しますが、トリチウムも生体濃縮が起きると言われています。」という記述を追加しました。

    原発の発電コストは本当に安いのか(2)

    原発の発電コストは本当に安いのかの続きとして、日本の原子力発電所(Wikipedia)の情報を参考にして日本の商用原発の現時点での状況を以下の通りまとめて見ました。
    この結果を見ると、結果的に1966年に商用原発の稼働を開始し、現時点までに4基が全壊状態でその内3基がメルトダウンし、恐らく合計16基の原発が地震で再起不能となった事が分かるのではないでしょうか。
    16基というのは、日本で商用稼働してきた原発が57基だとした場合、全体の約1/4+2基となりますし、東京電力だけで考えると、仮に再稼働予定の柏崎刈羽原発の2基がこのまま再稼働出来なかった場合は、17基全てが地震で再起不能となった事になります。
    これでも原発のコストは本当に安いのでしょうか。
    北海道電力:泊:3基中3基再稼働予定
    東北電力:東通:1基中1基再稼働予定
    東北電力:女川:3基中2基再稼働予定で1基地震で再起不能? *1
    日本原電:東海:1基中1基廃炉中
    日本原電:東海第二:1基中1基再稼働予定
    日本原電:敦賀:2基中1基再稼働予定で1基廃炉中?

    東京電力:福島第一:6基中4基が全壊状態で3基がメルトダウンして6基地震で再起不能 *2
    東京電力:福島第二:4基中4基地震で再起不能? *3
    東京電力:柏崎刈羽:7基中2基再稼働予定で5基地震で再起不能? *4

    中部電力:浜岡:5基中3基再稼働予定で2基が廃炉中?
    北陸電力:志賀:2基中2基再稼働予定
    関西電力:大飯:4基中2基再稼働済みで2基再稼働予定
    関西電力:高浜:4基中1基再稼働済みで3基再稼働予定
    関西電力:美浜:3基中3基再稼働予定
    中国電力:島根:2基中1基再稼働予定で1基廃炉予定?
    四国電力:伊方:3基中2基再稼働済みで2基廃炉中
    九州電力:玄海:4基中2基再稼働済みで2基廃炉予定?
    九州電力:川内:2基中2基再稼働済み
    *1 廃炉を決めた1号機は廃炉を決定した2018年で約34年しか経っておらず、実質的に約27年しか稼働出来なかった事や、女川原子力発電所(Wikipedia)によると、3.11の当日に耐震震度を超えた振動があったようなので、「地震で再起不能」と判断しました。
    *2 事故対応費用や賠償費用や廃炉費用をすべて合わせるとどれだけになるのでしょうか。
    *3 恐らく住民の説得が出来ないため、「地震で再起不能」と判断しました。
    *4 柏崎刈羽原発は、6号機と7号機の再稼働計画しかないようなので、私は5基を「地震で再起不能」と判断しましたが、6号機と7号機の再稼働の件については、柏崎刈羽原発の危険性についてをどうか見てください。
    追記:
    追記2:
    巨額の除染費用を賄えるのか 東京電力株価 目標水準に近づかず(NHK 2021年3月10日)によると、福島第一原発事故による除染費用は4兆円だそうです。
    追記3:
    原発の発電コストは本当に安いのか(3)も見てもらいたいのですが、福島第一原発の4号機の核燃料プールでメルトダウンが発生した可能性がある事については、福島第一原発の4号機の爆発についてを見てください。

    原発の発電コストは本当に安いのか

    原発のコストが安いという事を信じている方がいらっしゃるようなので、そうではないという事を説明したいと思います。
    経産省の原発のコストを考えるの「100万kWの発電施設を一年間運転するのに必要な燃料」の図を見ると、経産省としては、同一量の発電を行うのに、原発は天然ガスの約5万分の1の重量の燃料で発電出来るから、原発のコストは安いと言っているようです。*1
    原燃輸送株式会社の原子燃料等の輸送Q&Aによると、「BWR用燃料集合体1体の重量は約250kg程度で、長さは約4.5m、PWR用燃料集合体1体の重量は約670kg程度で、長さは約4.2mです。」が、PWRのウラン燃料は集合体1体で約1億円といれているようなので、約670kgで1億円です。
    LNGの価格はよく分からないですが、新電力ネットの天然ガス価格の推移を見て、現在の値上がり状況や手数料等を想定して80円/Lとします。
    670kg×(80円/L)/0.75=約71500円ですから、私の想定が正しければ、仮に1体1億円とした場合のウラン燃料のkgあたりの単価は、LNGの約千4百倍です。
    原発で使うMOX燃料の価格が約5倍に 1体10億円超(TV Asahi 2017/12/17)とされているので、原発を使い続けるために必須となる1体10億円超のMOX燃料のkgあたりの単価は、私の想定が正しければ、LNGの約1万4千倍超です。*2
    もし私の想定が正しければ、原発はLNGガスの約4万5千分の1の重量の燃料で発電出来るとしても、燃料の単価は約1万4千倍超だから、燃料費だけで考えた場合、原発を使い続けるために必須となるMOX燃料の燃料費はせいぜいLNGガス火力の約1/4になるにすぎません。
    そして、原発は廃炉に膨大な費用がかかるし、使用済み核燃料はウラン燃料でも10年以上冷却しなければならず、九州電力の見解12を見ると、使用済みMOX燃料はどれだけの期間冷却すれば良いのか未だに分かっていなくて、500年冷却しなければならないという噂もあるようですが、電気事業連合会の高レベル放射性廃棄物の貯蔵によると、MOX燃料を作るために行われる再処理によって生成されるガラス固化体は、30~50年間冷却しなければならないそうです。
    原発の稼働によって出来た放射性廃棄物が殆ど無毒化するためには、244Puの半減期が約8千万年である事を考えると、何億年もかかるのではないでしょうか。
    このような事を考えれば、たとえ原発の燃料費がLNGガス火力の約1/4になったとしても、トータルの費用を考えると原発の方がコストが低いという事は全くあり得ないでしょう。
    また、原発事故が起きれば膨大な事故対応費用や事故の補償費用が発生するし、原発や再処理工場は、正常に稼働していても膨大な放射性物質を放出するし、特に福島第一原発の事故で大量の放射性物質が放出していますので、私は、日本人の原発や再処理工場による健康被害は計り知れないと思っています。*3 *4 *5
    尚、再処理の危険性と問題性は、核燃料の再処理の危険性と問題性についてを見てください。
    *1 原発や再処理工場に関連する地方交付金や原発推進のための広報費用やその他原発の推進に必要な費用を合計すると、膨大な額になるのではないでしょうか。
    *2 純粋にウランやプルトニウムの量だけで考えれば、Kgあたりの単価はさらに高くなります。
    *3 私は、1970年代から日本人のがんの罹患率が上昇している原因は、主要には、原発や再処理工場から放出された放射性物質の影響のせいではないかと思っています。
    *4 私は、原発労働者の健康被害はさらに計り知れないと思っていますが、福島第一原発の事故のせいで放射能の影響が明るみになって来ているため、原発労働者になる事を希望する人が減少しているはずだし、福島第一原発の事故対応作業による現在の原発労働者の被曝や日本の少子高齢化等の影響により、原発労働者の確保はますます困難になり、これ以上原発事故が起きると、人手不足で原発事故の対応が出来なくなってしまう事を大変心配しています。
    追記:
    追記2:
    244Pu等の超ウラン元素は、高レベル放射性廃棄物に分類されない事が分かったため、244Pu等の超ウラン元素に関する記述を訂正しました。

    日本の食品中の放射能基準について

    福島県沖 クロソイから基準超の放射性物質 出荷を停止(NHK 2021年2月22日)の話題が出て、私も日本や他国の食品中の放射能基準について良く分かっていなかったので、きちんと調べて見ました。
    福島第一原発事故直後に出された基準だと思うのですが、厚生労働省の(参考資料5)海外における食品中の放射性物質に関する指標を見ると、コーデックス(Wikipedia)とEUの介入レベルは1mSvで、アメリカは5mSvとされているようです。
    日本は、福島第一原発事故直後に介入レベルを多分1mSvから5mSvに引き上げたと思いますが、 2012年の4月に1mSvに設定して戻したようです。*1
    介入レベルだけで考えると、現時点の基準は日本とコーデックスとEUの基準は同じです。
    アメリカの介入レベルは5mSvで高いですが、厚生労働省の(参考資料5)海外における食品中の放射性物質に関する指標の内容を良く見ると、発癌性が高いストロンチウムや放射性ヨウ素やプルトニウムやアメリシウム等の基準は厳しくなっています。
    また、EUにしても、ストロンチウムや放射性ヨウ素やプルトニウムやアメリシウム等の基準が明記されています。
    一方、厚生労働省の資料2 食品中の放射性物質の 新基準値及び検査について 厚生労働省医薬食品局食品安全部を見ると、「セシウム以外の影響を計算に含めた上で、比率が最も高く、測定が容易なセシウムを指標としている。」とされていますから、現在の基準では、セシウム以外の放射性核種は測定しなくても良いと言っているように私には受け止められます。
    また、リンクで示した資料のP9(PDFとしてはP5)を見ると、例えば1歳未満の限度値が460bqになっていますが、全く意味が分かりません。*2
    それと、もしかしたら、この前とれた500Bq/Kgのクロイソも、セシウム以外の核種を測定すれば、アメリカやEUの基準に引っかかる可能性もあるのではないでしょうか。
    これでも日本の食品中の放射能の基準は、EUやアメリカより厳しいといえるのでしょうか。
    *1 介入レベルとは、一年間に食品を通じて人体に取り込まれる放射能の限度量です。
    *2 てくてくブログの食卓の放射能汚染から身を守るにはの「4.小さい子のいのちを守ること」を見てください。
    追記:
    厚生労働省の(参考資料5)海外における食品中の放射性物質に関する指標「EUについては、追加の被曝線量が年間1 mSvを超えないよう設定され、人が生涯に食べる食品の10%が規制値相当汚染されていると仮定。」と「米国については、預託実効線量5mSvを採用し、食事摂取量の30%が汚染されていると仮定。」とされている事に注意してください。
    追記2:
    見逃した方のために…NHK 追跡!真相ファイル「低線量被ばく 揺れる国際基準」文字起こし(日本原子力学会)によると、チェルノブイリ原発事故では、食品汚染の上限を300Bq/kgにし、内部被曝量を1mSv/年以下にしても癌になる人が増えたそうですが、低線量被曝の危険性についてもどうか見てください。

    福島第一原発の3号機の爆発について

    私は、福島第一原発の3号機の爆発直後に、ニュースの爆発の瞬間の動画(2020年9月3日放送 news every.より)の3号機の爆発の様子を見て、1号機の爆発とは全く違う爆発だと思ったのですが、その後、YouTubeのガンダーセンは3号機の爆発は即発臨界と推測する。を見て、3/14の3号機は核爆発だと確信しました。*1
    そして、最近になって「福島第一原発3号機は核爆発だった」原発設計技術者が東電、政府を批判(AERA dot. 2020/03/09)を見つけ、それを読んで、水素爆発によって核燃料プール内の気泡が潰れて中性子が減速して臨界状態(Wikipedia)に到達したとされている説明を見て、パズルの最後のパーツが組み合わさったと思いました。
    ところで、内閣府原子力委員会の政策選択肢の重要課題: 使用済燃料管理について -国内の動向-によると、福島第一原発の3号機は、事故当時、核燃料のリラッキングの危険性についてで説明したリラッキングを実施済みで、プルサーマル(Wikipedia)運転を行っていたはずなので、核燃料プールに使用済みや未使用のMOX燃料(Wikipedia)がそれなりに存在していたはずですし、もしかしたMOX燃料による中性子被曝を少しでも少なくするために、核燃料プールの中央部に集められていた可能性もあるのではないでしょうか。*2
    従って、福島第一原発では、3/14に3号機の爆発前に核燃料プールでの冷却が停止し、メルトダウンに伴う再臨界の可能性についての(3)で説明した、MOX燃料内の原子量が偶数のプルトニウムやキュリウムの熱振動による自発核分裂の核分裂障壁ポテンシャルの低下による自発核分裂(Wikipedia)の激化によって中性子束(Wikipedia)が増加し、水素爆発によって気泡が潰れて中性子が減速した事が引き金となって即発臨界が起きて核爆発したのではないでしょうか。*3 *4
    つまり、福島第一原発の3号機の爆発の謎のパズルは、核燃料プールの冷却停止とリラッキングとMOX燃料と水素爆発による核燃料プールの気泡の圧縮の四つのパーツで構成されているのではないでしょうか。
    *1 急いでいる方は1:45から見てください。
    *2 もしかしたら、MOX燃料から出る中性子による被曝を少なくするために、危険を承知でMOX燃料を核燃料プールの中心部に配置し、中性子の反射率が高かった可能性もありえるのではないでしょうか。
    *3 通常は核燃料プールに気泡は存在しないのですから、核燃料プールが沸騰している状態で気泡が潰れて中性子が減速しただけでは即発臨界による核爆発の発生を説明出来ないので、私のように、核爆発直前に核燃料プールの中性子束の増加が起きていた事を説明出来る仮説を提示しなければならないのではないでしょうか。
    *4 私は、3号機の爆発時の煙が黒かったのは、MOX燃料の酸化プルトニウムが黒いからではないかと考えています。
    Yahoo!知恵袋[q13255989648]の「補足」で質問して見ました。
    追記:
    福島第一原発事故の経過の疑問点についての(4)を考えているうちに、3号機の核爆発によって2号機の冷却が停止したのではないかと思えて来ました。
    追記2:
    もしこの記事の内容が正しければ、3号機の爆発時に3号機内や3号機の近くにいた方は、中性子被曝によって既に殆どの方ががん等で既に亡くなられたていると思いますが、中性子被曝の恐ろしさは、どうして中性子線は危険なのかを見てください。
    追記3:(2023/4/12)
    福島第一原発正門付近、15日にも中性子線検出(朝日新聞 2011年3月16日)によると、2011/3/14にも中性子線を検出したそうですが、2011/3/14に検出した中性子線は、3号機の核燃料プール内の核爆発で発生した中性子線ではないでしょうか。

    メルトダウンに伴う再臨界の可能性について

    2021/2/13の地震による福島第一原発の影響についてで、どうして私が再臨界の心配をしているのか記したいと思います。
    京都大学原子炉実験所の再臨界についてでは、「再臨界の可能性はゼロではない」とされているので、メルトダウンした後に再臨界する事を心配するのは私だけではないという事を分かっていただけるのではないでしょうか。
    ところで私は、特にMOX燃料を利用していた3号機の炉心の下部で2011/3/20-21にかけて発生したと考えられる再臨界が、事故後10年経過しても、
    (1) 冷却停止によって核燃料の溶融が進み、プルトニウム等の密度が高い核種が重力で核燃料デブリの下部に沈殿する。
    (2) 核燃料デブリは、中性子を反射しやすい劣化ウランが豊富に存在するため、中性子反射体(Wikipedia)として機能してしまう。
    (3) 原子量が偶数のプルトニウムやキュリウムは自発核分裂(Wikipedia)が起きやすいが、核燃料デブリの下部に沈殿したこれらの核種が高温になって熱振動が激しくなると、自発核分裂の核分裂ポテンシャルが低下して自発核分裂が促進され、中性子を多数放出するようになって、核燃料デブリの下部の中性子束(Wikipedia)が増加する可能性がある。*1
    (4) (3)の理由によって中性子束が多くなると、原子量が奇数のプルトニウムやウラン235等の誘導核分裂が激しくなり、この事によって核燃料デブリ内がさらに高温化して自発核分裂が激しくなって中性子束がさらに増加して誘導核分裂がさらに激しくなるという悪循環が進行して臨界状態(Wikipedia)に到達する可能性がある。*2
    というシナリオで起きる可能性が残されているのではないかと考えています。
    私は、軽水炉では、通常は水で中性子を減速しなければ余程の事が無ければ臨界状態には到達しないと考えていますが、メルトダウンをしてしまった場合、特にMOX燃料を使用している場合は、プルトニウムの熱振動による自発核分裂の増加が引き金となって、上記で説明したシナリオによって臨界状態に到達する可能性があるのではないかと考えています。
    *1 この考えは、私の単なる妄想かもしれないですが、原子炉級プルトニウム(ATOMICA)でそのまま核兵器を作ると未熟爆発が起きてしまうのは、この事が原因ではないかと考えています。
    *2 誘導核分裂は、原子核が中性子を吸収して核分裂する事ですが、詳しい話は質量欠損によってエネルギーが発生する理由について(3)を見てください。
    追記:
    福島第一原発事故の経過の疑問点についてが正しければ、3号機の格納気のメルトスルーは3/14に始まったと考えられるので、プルトニウムが核燃料デブリの下部に沈殿するまで約一週間程度かかった事になるのではないでしょうか。
    追記2:
    私は、南相馬や首都圏に積もった黒い粉についてで記した黒い粉は、主に3号機で起きたと思われる再臨界によって発生して飛散したものではないかと思っています。
    追記3:
    福島第1原発3号機の黒煙は収まる、あらたに2号機から白煙(REUTERS 2011年3月21日)の画像に映っている黒煙は、3号機が再臨界してMOX燃料が燃焼して発生した煙ではないでしょうか。
    追記4:
    追記5:(2023/9/1)
    原子力規制員会の資料(4) 再臨界の可能性についてがリンク切れになってしまったので、冒頭の部分を変更しました。

    ボーアの量子条件について

    原子核の周りの周りを回る電子の波動関数がどうして定常波にならなければならないか改めて考えて見ました。
    私もこれまで、例えば九州大学の1-1: ボーアの量子論 と ド・ブローイ波で説明されているような説明で理解していたつもりになっていたのですが、よくよく考えて見たら、電子が右回りと左回りの重ね合わせ状態である事を考慮する事がある事を思い出したので、この事を確認したいと思います。
    右回りの電子と左回りの電子の重ね合わせ状態というのは、φ=φR+φLというようにに表され、電子の軌道上の一点をx=0として細かい話を無視してx軸がループ状になtって電子の軌道上に存在すると仮定すれば、θRとθLをそれぞれの波動関数の位相とすると、スピンを考慮しない波動関数はφR=(A/√2)e^i(px-Et+θR)/hbarとφL=(A/√2)e^i((-p)(-x)-Et+θL)/hbarというように模式的に表せると思います。*1
    そして、例えばθR=θL=θとすると、φR+φL=(A/√2)e^i(px-Et+θR)/hbar+(A/√2)e^i((-p)(-x)-Et+θL)/hbar=Ae^i(px-Et+θ)/hbarとなるため、この波動関数が電子の軌道上で定常波にになる場合のみ電磁波が放出されない事になるので、重ね合わせを考慮しても結論は何も変わらないという事になるようですね。*2
    *1 運動量はベクトル量なので、運動方向が逆転すると、波動関数内の運動量もマイナスになるのではないでしょうか。
    *2 φR+φLもφRもφLも波動関数の形が変わらないため、右回りの電子と左合わせの電子の重ね合わせを考慮してもしなくても、結果的には同じ事だと思いました。
    追記:
    限りなく強い磁場の中では、電子の回転方向は限りなく右回りか左回りのどちらか一方になってしまう事に注意してください。
    追記2:
    量子力学における不確定性関係についてに関連する内容を記しましたので、どうか見てください。

    核燃料のリラッキングの危険性について

    日本では、核燃料の再処理がうまく行かず、苦肉の策として、電気事業連合会の貯蔵能力拡大の具体例で説明している核燃料のリラッキング(使用済燃料プールの貯蔵能力の拡大)を行っているのですが、この危険性について記したいと思います。*1
    (1) 核燃料プール内の核燃料の重量が増加し、地震等で核燃料プールに亀裂が入ったり崩壊する等して、使用済み核燃料を冷却出来なくなる危険性が高まる。
    (2) 核燃料間の距離が短くなるため、核燃料の配置を誤ったり、ホウ素入りの核燃料ラックの定期交換を怠る等した場合、臨界事故が発生する危険性が高まる。
    (3) 核燃料プール内の熱量が増えるため、核燃料プールで冷却系が停止した場合の冷却再開までの猶予時間が少なくなる。
    (4) 核燃料の総量が増えるため、作業員の被曝量が増加する。
    *1 仮に核燃料の再処理がうまくいったとしたら、核燃料の再処理の危険性と問題性についてで説明した通り、さらに大きな問題がある事に注意してください。
    追記:
    核燃料のリラッキングを行っても使用済み核燃料の保管場所が足りなくなっているため、青森の中間貯蔵施設 むつ市が共用案に反発(日経新聞)という問題が起きているようです。
    追記2:
    核燃料プールに関連して、環境金融研究機構の東電福島第一原発の4号機プール。「冷却水漏えいで大規模火災の寸前だった」。米学術機関の全米アカデミーズが認定。各地の原発事業者に燃料プールの管理厳格化を勧告(RIEF)という情報を発見しましたので、見てもらいたいのですが、この中の「3号機」は全て「4号機」が正解のようですので、注意してください。
    追記3:
    各原発の核燃料プールの状況は、電気事業連合会の使用済燃料貯蔵対策の取組強化について(2018年11月20日)のP5を見てもらいたいのですが、福島第一原発の4号機で(1)の懸念が現実化した可能性がある事については、福島第一原発の4号機の爆発についてを見てください。
    追記4:
    使用済み核燃料の置き場所がなくなって来ている事については、原発の『使用済み核燃料』はどこへ?を見てください。

    2021/2/13の地震による福島第一原発の影響について

    東京電力より、福島第一原子力発電所 1,3号機原子炉格納容器(PCV)の水位低下についてというアナウンスがありましたが、復興オリンピックよりこちらの復興対策や新型コロナ対策の方を何とかしてもらいたいと思うのは私だでしょうかね。
    それと、まえちゃんねっとのガイガーカウンター リアルタイム 観測網というものがあり、未だ観測が続いている個所もありますので、私のように他人から騙され続けて、疑い深いなっている方は、線量を見守る事をお勧めします。
    因みに、久々に福島第一原発の後に購入したガイガーカウンターに電池を入れて線量を確認しましたが、今のところは正常範囲内の値です。
    追記:
    素人の個人的な考えに過ぎませんが、特に3号機では、出力が大きい関係で1号機より大量の核燃料デブリが存在し、MOX燃料を装荷していたので核燃料デブリ中のプルトニウムの量も多いのではないかと思っています。
    したがって、特に3号機の核燃料デブリの冷却が出来なくなって再臨界の条件が整ったらどうなってしまうのだろうと心配をしています。
    追記2:

    使用済み核燃料の崩壊熱を利用した発電について

    福島第一原発で、RCIC(Wikipedia)を装備していた2号機や3号機で、電源無しで一定時間原子炉の冷却が出来た事を知って、使用済み核燃料の崩壊熱を利用して発電出来るのではないかと考えた方は多いと思いますが、使用済み核燃料の崩壊熱を利用した発電のメリットをまとめて見ましたので、暇がある方は見てやってください。
    (1) 現在は使用済み核燃料を核燃料プールに入れて電力を使って冷却しているが、使用済み核燃料の崩壊熱を使用して発電すれば、これまで冷却に必要だった電力が不要になり、少量ではあるが、逆に発電が出来るようになる。
    (2) 原発の核燃料は3年程度しか利用出来ないが、この方式なら、使用済みウラン燃料の場合は恐らく最低10年、使用済みMOX燃料の場合はその何倍も利用出来る可能性がある。
    (3) 原発のように連鎖反応を起こさないので、メルトダウンしなければ暴走する事はない。
    (4) 発電に伴って放射性物質を新たに作らず、放出する放射性物質も極めて少ない。
    (5) 発電施設を単純で小規模に出来るので、地震に強くして、事故の発生確率を減らしやすい。
    (6) (5)と同じ理由により、多くの場所に発電所を設置出来る。
    (7) (5)と同じ理由により、原発のように定期点検で長期間停止させなくてもよくなる。
    ところで、トータル・リコール(Wikipedia)のラストシーンを思い出したのですが、無学の暇人の単なる妄想でしょうか(笑)
    追記:
    使用済み核燃料を発電のために長期間高熱にした場合、核燃料の被覆管がもたない事に今頃気が付きましたが、使用済み核燃料は発電は短期間にして、その後は温水を作るためのエネルギーとして利用した方が良いかもしれないですね。
    追記2:
    MOX燃料を使用したプルサーマル運転は、プルサーマル運転の危険性と問題性についで説明した通り本当に危険だからすぐにやめてもらいたいのですが、既に出来てしまった使用済みMOX燃料は、冷却期間が500年という噂があるので、かなり長期間発電や温水を作るためのエネルギーとして利用できる事なります。
    追記3:
    巷でも、この方式は提唱されているようですので"崩壊熱発電"で検索して見てください。

    核燃料の再処理の危険性と問題性について

    福島第一原発事故の経過について柏崎刈羽原発の危険性についてを記したついでに、核燃料の再処理の危険性と問題性について記したいと思います。
    (1) 再処理でプレナム(ATOMICA)を破壊するため、核燃料内部に溜めていた放射性ガスを大気中に放出する事になる。
    (2) 核燃料を硝酸水等で溶解してプルトニウムを取り出すが、使用した硝酸水から放射性物質を完全に除去出来ず、大量の放射性物質を海洋に放出する事になる。*1
    (3) 再処理工場からは、大量のトリチウムが放出される事が分かっている。*2
    (4) 再処理の過程で、プルトニウム溶液や高レベル放射性廃液(ATOMICA)が出来るが、特に高レベル放射性廃液は発熱量が多く、停電や地震等によって配管や装置が損傷して冷却が出来なくなったり発生する水素を取り除けなくなった場合、高レベル放射性廃液のタンクが爆発してプルトニウム等が含まれる大量の放射性物質が放出される危険性がある。*3
    (5) 再処理によって出来たMOX燃料を使用すると、原発事故が発生しやすくなり、事故が起きた際に放出されるプルトニウムの量も増える。*4
    (6) 使用済みウラン燃料の再処理までの必要冷却期間は10年程度で、使用済みMOX燃料の必要冷却期間はそれより長くなるが、どれだけ長くなるのか未だ判明していないようである。*5
    (7) 輸入MOX燃料は輸入ウラン燃料の約10倍に高騰しているようだが、この事は、再処理のコストが非常に高い事を示す動かぬ証拠である。*6
    (8) MOX燃料は未使用でも中性子線を出すが、MOX燃料は原発作業者の被曝量の増加だけでなく、MOX燃料の運搬によって、運搬作業者や運搬経路住民の中性子線被曝も発生する。*7
    (9) MOX燃料を燃焼する方が半減期が8千万年の244Puや半減期約8500年の245Cm等の超ウラン元素がウラン燃料を燃焼するよりより多く生成されると思われるが、これらの半減期が非常に長い放射性物質をどうするのかという事が大問題である。
    (10) 再処理のために二酸化炭素を超臨界流体化して使用する研究が続けられているようだが、この方法が成功した場合、使用後に放射化された炭素(14C)を含む大量の二酸化炭素を大気中に放出する事になるのではないか。*8
    *2 再処理工場では、核燃料をせん断して硝酸で化学的に分解し、運転中の中性子照射による核分裂や高次化によって生成された核燃料内の大量のトリチウムも取り出してしまうため、原発よりも大量にトリチウムを放出しますが、再処理工場から放出されるトリチウムやその他の放射性物質の放出量は、六ヶ所再処理工場#放出される放射性物質(Wikipedia)核情報六ヶ所再処理工場の試験で海に放出されたトリチウムは、福島総量の2.5倍?5倍?─本格運転で毎年海洋放出するのは?を見てください。
    *3 ウラル核惨事(Wikipedia)を見てください。
    *4 福島第一原発の3号機の爆発時の煙が黒かったのは、MOX燃料の酸化プルトニウムが黒いからではないでしょうか。
    *5 九州電力の見解12を見てもらいたいのですが、500年冷却しなければならないという噂もあるようです。
    *6 原発で使うMOX燃料の価格が約5倍に 1体10億円超(TV Asahi 2017/12/17)原子力資料情報室MOX燃料はおいくら?を見てもらいたいのですが、日本の再処理工場では、未だにMOX燃料の製造に成功していないから、高価なMOX燃料を海外から調達しているのではないでしょうか。
    追記:
    核燃料の再処理によって作り出されるMOX燃料は、作業者の放射線被曝を増大させるのですが、多くの人達が、福島第一原発事故によって低線量被曝の危険性についてで記されている内容を理解したから、原発労働者の確保が出来なくなって来ているという事はないのでしょうか。
    追記2:
    核燃料を再処理して作り出したMOX燃料の使用による危険性と問題性については、プルサーマル運転の危険性と問題性についてを見てください。
    追記3:
    追記4:(2023/9/18)
    *1の注釈を挿入しました。

    柏崎刈羽原発の危険性について

    福島第一原発事故の経過についてを記したついでに、柏崎刈羽原発の危険性について記したいと思います。
    (1) 柏崎刈羽原発の地盤は大変液状化しやすく、新潟県中越沖地震(2007年)では、プラントの地盤が広い範囲で隆起や沈下しているため、新潟県中越沖地震と同程度以上の地震に見舞われた場合、ブラントの地盤がさらに隆起や沈下する等して何が起きるか分からないのではないし、プラントの地盤の隆起や沈下によって、見えない所で既に致命的な欠陥が生じている可能性があるのではないか。*1
    (2) 再稼働予定の6号機と7号機にフィルタベント設備(東京電力)が設置されたが、想定以上の振動によってプラントの地盤のズレ等が発生して配管が破損等した場合、使い物にならない可能性があるのではないか。
    (3) 再稼働予定の6号機と7号機はABWR(Wikipedia)だが、再循環ポンプに使用されているインターナルポンプ(日立GEニュークリア・エナジー)が破損した事故が未だ起きていないので、そのような場合に何が起きるのか分かっていないのではないか。*2
    (4) ATOMICAの図4 ABWRとBWRの事故解析における想定配管の比較を見ると、ABWRの高圧系ECCSはスプレイ式ではない事が分かるが、スプレイ式でない場合、実際に高温の核燃料が水面から露出した場合にどのような影響が出るのか分からないのではないか。
    (5) 福島第一原発でメルトダウンを起こした1~3号機は、格納容器とサプレッションチャンバーが鋼鉄製だったが、再稼働予定の6号機と7号機はコンクリートと鋼鉄で出来ているので、ベントが出来ない場合に格納容器が大爆発する可能性があるのではないか。*3
    (6) 再稼働予定の6号機と7号機は福島第一原発の1~3号機よりも出力が高く、核燃料の装荷量が多いため、事故の進展スピードが速まったり事故の規模が大きくなる可能性が高いのではないか。*4
    *2 インターナルポンプについては、圧力容器内にあるため、インターナルポンプが損壊した場合、水漏れが起きたり破損部品が圧力容器内を循環して、別のインターナルポンプを連鎖的に破壊したり、制御棒によるスクラムが出来なくなったりしてスクラムが不完全になる可能性があるのではないでしょうか。
    *3 新潟県の柏崎刈羽原子力発電所の設備概要によると、格納容器とサプレッションチャンバーの構造の正式名称は、「RCCV(鉄筋コンクリート製鋼製内張円筒型)」だそうです。
    *4 福島第一原子力発電所(Wikipedia)柏崎刈羽原子力発電所(Wikipedia)の発電設備の部分を見比べてください。
    追記:
    追記2:
    柏崎原発建屋のくい損傷 6号機、鉄筋が破断(産経新聞 2021/11/8)だそうですが、東京電力はこれでも6号機を再稼働させるつもりのようですね。
    追記3:

    福島第一原発事故の経過の疑問点について

    福島第一原発事故の経過をご存じない方がいらっしゃるようなので、またまた老爺心を発揮して、日刊工業新聞社の福島原発で何が起こったか(政府事故調技術解説)の内容や小山英之さんの文書田中三彦さんの文書等を参考にして、福島第一事故の経過についての私が理解した内容と私の疑問点をここで記したいと思います。
    1号機:
    3/11 14:52に電源がなくても駆動出来るIC(Wikipedia)が起動して津波襲来後以降に全く機能しなくったとされているが、恐らく地震発生直後から原子炉を殆ど冷却出来なくなり、
    3/11 17:50に「17:50 IC 組撤収 放射線モニタ指示上昇のため.300CPM」という状態になり、3/11~12の深夜に何らかの原因で圧力容器内の放射性物質の大量放出が始まり、圧力容器内の圧力が大幅に低下したのではないか。*1 *2
    そして、3/12のAM中には圧力容器内の水位が殆どなくなり、正午過ぎにメルトスルーが起き始めて格納容器の圧力が下がり始め、3/12 15:36に水素爆発を起こしたのではないか。
    2号機:
    3/11 14:50に電源がなくても駆動出来るRCIC(Wikipedia)が起動したが、3号機の3/14の爆発の約2時間後の13時頃に原因不明の自然停止を確認し、その後、圧力容器内の水位が大幅に低下して3/14 18時頃に圧力容器内の圧力が大幅に低下したので、この頃にメルトスルーが発生したのではないか。

    そして、何時の時点かは分からないが、サプレッションチャンバーが爆発し、放射性物質が大量に放出されたのではないか。*3
    3号機:
    3/11 15:05に電源無しで駆動出来るRCIC(Wikipedia)が起動して3/12 11:36に自動停止するまで運転し、約一時間後の12:35に同じく電源無しで駆動出来るタイプのHPCI(Wikipedia)が自動起動したが、HPCIは何故か十数時間しか稼働出来なくて3/13にメルトスルーが始まり、3/14の早朝にD/Wの圧力低下が始まったため、この頃から3号機の放射性物質の大量放出が始まり、結果的に3/14の 11:01に3号機は核爆発を起こしたのではないか。*4 *5 *6

    ところで、この内容を振り返ってみると、以下の疑問が湧くのは私だけでしょうか。
    (1) 1号機のICは津波襲来前は本当に正常に機能していたのか。
    (2) 3号機はHPCIが自動起動したのに、
    どうして全く効果を発揮出来なかったのか。*7
    (3) 3号機はHPCIを自動起動したのに、1号機と2号機はどうして起動出来なかったのか。*8

    (4) 2号機のRCICは、3/14に何故停止したのか。*9
    *1 3/11~12の放射能漏れと深夜の格納容器の圧力低下の原因は、元原子炉技術者の田中三彦さんが言われるように圧力容器の蓋から内部の気体が漏れた可能性もあるし、配管の破損部分から内部の気体が漏れた可能性もあるし、メルトスルーによって内部の気体が漏れた可能性もあるのではないでしょうか。
    *2 「恐らく地震発生直後から原子炉を殆ど冷却出来なくなり、」の根拠は、原発事故10年 事故はなぜ深刻化したのか(1)1号機の実態(NHK 2021年3月)福島原発事故、原子炉に届いた冷却水は「ほぼゼロ」だったと判明(現代新書 2017.09.20)を見てください。
    *3 福島第一原発2号機の爆発音 50人残し全員避難へ(朝日新聞 2011年3月15日)の「2号機の爆発音」は実は4号機の爆発音だった可能性があると思いますので、福島第一原子力発電所事故(Wikipedia)の「2号機における事故の進展」の部分を見てください
    *4 福島第一原発の3号機の爆発についてを見てください。

    *5 福島第一原発のHPCIは、残留熱で発生する蒸気で駆動出来るタイプのようですので、こちらを見てください。
    *6 YouTubeの【東電テレビ会議】情報統制と被曝〜震災3日後に何が(25分)(OurPlanet-TV)の6:18から最後までどうか見てください。
    *7 私は地震動による高圧注水系の配管の損傷を疑っていましたが、3号機の冷却配管、地震で破損か 津波前に(朝日新聞 2011年5月25日)を見てください。
    *8 私は*7の疑いが正しければ、東電側でHPCIの起動を断念したのではないかと考えています。
    *9 私は3号機の11:01の爆発の影響でRCICか低圧注水系の配管が破損する等して2号機のRCICの冷却機能が停止したのではないかと考えています。
    追記:
    1号機の3/11~12の夕方から深夜にかけての放射能漏れと圧力容器内の圧力の大幅に低下の原因をメルトスルーとしていましたが、確証が得られないため、現時点で考えられる内容を*1に記しました。
    追記2:
    元裁判長が示した「原発の耐震性」衝撃のデータとは(毎日新聞 経済プレミア 2021年4月28日)を見てください。
    追記3:
    未だに多くの謎に包まれている3号機と4号機の爆発については、福島第一原発の3号機の爆発について福島第一原発の4号機の爆発についてを見てもらいたいのですが、福島第一原発事故の経過の疑問点について(2)も見てください。
    追記4:
    「2号機:」にて、「3/14 18時頃に圧力容器内の圧力が大幅に低下したので、この頃にメルトスルーが発生したのではないか。」と記しましたが、日本学術会議の2号機から最も多くの放射性物質が 放出された理由(公開シンポジウム 2014.9.17)のP13では、「2号機のベントが結局実施されたか否かについては、今のところ明らかになっていない。」という事なので、私の考えが正しい可能性があるのではないでしょうか。
    それと、*3で示した福島第一原発2号機の爆発音 50人残し全員避難へ(朝日新聞 2011年3月15日)については、4号機の爆発を2号機のサプレッションチャンバーの爆発と誤認したようなので、「3/15の06:14頃、サプレッションチャンバーが爆発し、」という表現を訂正し、注釈も訂正しました。
    追記5:
    1号機のICについては、新潟県の福島第一原子力発電所事故の検証(令和2年 10 月 26 日)のP10によると、「地震動により IC 等の設備が損傷した客観的証拠は確認していないが、損傷はなかったとする決定的な根拠がなく、損傷の可能性について完全には否定することはできない。」そうです。
    追記6:(2023/3/18)
    3号機のメルトスルーは3/12に始まったと記していましたが、WEB特集 福島第一原発事故 12年目の“新事実”(NHK 2023年3月17日)で、「3月13日午後9時58分には3号機では原子炉の底が破れるメルトスルーが起こっていた。」とされていたため、また、HPCIの停止後に格納容器の圧力が上昇していた事を見逃していた事が分かったため、3号機のメルトスルーに関する記述を訂正しました。
    追記7:(2023/3/21)
    東京電力の添付資料 3-5 3 号機 RCIC の停止原因についてに基づいて、3号機のRCICとHPCIに関する記述を若干訂正しました。

    ベルヌーイの定理について

    世の中には、飛行機が飛ぶのはベルヌーイの定理(Wikipedia)のせいであるというように単純に説明するのは間違いだけれども、この事がどうして間違いなのか理解していない方がいらっしゃるようなので、いつものように老爺心を発揮して、私の考えをここで説明したいと思います。
    下の図を見てもらうと一目瞭然ですが、一般的な飛行機は、胴体や翼を完全に水平にすると、図で示した通り、ベルヌーイの定理による揚力が空気の衝突による下降力に相殺されるため、飛び続ける事は出来ません。
    翼や機体を傾ける事によって、空気の衝突による揚力とベルヌーイの定理による揚力の合計によって大きな揚力が発生し、飛行する事が出来るようになります。
    従って、飛行機の設計時は、当然このような事を加味して、最適な設計を行っているのではないでしょうか。
    追記:
    ベルヌーイの定理による揚力の色を変えて見ました。
    wingcs.jpg

    真空のエネルギーについて

    今頃知ったのですが、ビッグバン宇宙国際研究センターのはじめも終わりもインフレーションのP46によると、「真空は量子論的なエネルギーを持つはず。しかもその大きさは単純に計算すると観測値より120桁も大きい!謎」とされているそうです。
    しかしこれは、単純に負のエネルギーの仮想粒子を認めていないからであるという事はあり得ないのでしょうか。
    確かに電磁場の偏極の原因となる仮想電子やカラー場の偏極の原因となる仮想中間子は正のエネルギーで間違いないようですが、裸の電荷を持つ電子のエネルギーはマイナス無限大とされていますので、マイナスのエネルギーの粒子が絶対に存在しないという事にはならないと思います。
    従って、ダークエネルギー等を考慮しなければ、何もない空間では、真空の揺らぎによって正のエネルギーと負のエネルギーに分裂し、正のエネルギーの仮想粒子と負のエネルギーの仮想粒子が対生成し、エネルギー保存の法則が完全な形で保たれているのではないでしょうか。
    もしこの考えが正しければ、真空のエネルギーが「単純に計算すると観測値より120桁も大きい」という事には決してならなはずですし、ホーキング放射についてで記した内容も正しいという事になり、めでたしめでたしとなるのではないでしょうか。

    ブラックホールのジェットについて(4)

    私は、ブラックホールのジェットについてブラックホールのジェットについて(2)ブラックホールのジェットについて(3)ブラックホールのジェットが出来る仕組み説明をしてきたつもりになっているのですが、アルマ望遠鏡の観測による原始星の研究成果、長年の謎に一つの解決策が示される(SORAE)によると、「円盤のうち半径4~40天文単位の範囲から磁力によって巻き上げられている「磁気円盤風」で説明できることが明らかになった」そうなので、磁気円盤風がブラックホールのジェットの謎の解明につながるかもしれないですね。*1
    ただし、AstroArtsの次第に加速する、M87から噴出するジェットを見ると、観測結果と理論が未だ完全に一致していないようなので、私の理論を棄却するのは未だ早いようですね(笑)
    それで、もし私の理論が棄却されたとしても、核と地球温暖化による人類絶滅が未だしばらく来ないなら、坂田先生の坂田モデルのように、私がこの世から消えても、のちの世まで語り継がれるようになって欲しいものです(笑)
    *1 記事の中に「ジェットの超光速運動が光速の5.8倍」と記されていますが、これは、超光速運動(Wikipedia)と呼ばれる現象のようですので、この運動の仕組みをよく確かめたい方は、Superluminal_motion(Wikipedia)の方が計算式がきちんと記されていますので、こちらを見てください。

    アイソスピンによる縮退圧について

    質量欠損によってエネルギーが発生する理由について(3)まで記して来て、アイソスピン(Wikipedia)による縮退圧(天文学辞典)については、核力とクーロン斥力の次に原子核内で重要な働きをしているにも関わらず、物理の啓蒙書で詳しく説明されていない事を思い出し、老爺心が疼いたので少し説明させていただきたいと思います(笑) *1
    アイソスピン自体は、陽子と中性子を区別するためにハイゼンベルクが電子のスピンから類推して考案したものなのですが、アイソスピンのスピン方向は、電子のスピンと違って、スピンの方向はアイソ空間という仮想的な空間に属しています。
    そして、例えば陽子と中性子ではアイソスピンが異なるのでアイソスピンによる縮退圧が働かないのですが、同一の種類の核子間ではアイソスピンの方向が同じになるので縮退圧が働き、この事は実験で確認されているはずです。
    また、アイソスピンの方向は、仮想的なアイソ空間に属しているため、電子のスピンと違って、核子の存在確率分布が大域的に見て球対称であれば、縮退圧の働き方も球対称であるはずです。
    尚、核力があるにもかかわらず原子核が潰れないのは、基本的に陽子間のクーロン斥力と同一種の核子間のアイソスピンによる縮退圧と位置と運動量の不確定性関係と核子間に働くと思われる核力の斥力芯の存在のせいであると考えられます。
    核力の斥力芯については、東京大学の原子核の中に有る“強い力”の起源を解明(2007/6/20)を見てもらいたいのですが、核力の斥力芯の起源は、恐らくクオーク自体の何らかの縮退圧ではないでしょうか。
    因みに、量子色力学のレベルで厳密に考えていないので、これらの考え方は近似的な考え方である事に注意してください。

    *1 縮退圧(天文学辞典)の「中性子の縮退圧」というのは、アイソスピンによる縮退圧の事を差していると思いますが、敢えて「アイソスピンによる縮退圧」と表現したのは、陽子・陽子間でも同じ縮退圧が働いていないと理論的に矛盾が起きるからです。

    質量欠損によってエネルギーが発生する理由について(3)

    質量欠損によってエネルギーが発生する理由についての内容のテストのために、核分裂(Wikipedia)でエネルギーが発生する理由を説明したいと思います。
    核分裂反応は、例えば235Uに熱中性子を当てると、原子核が複数に分裂するとともに高速中性子を二から三個程度放出して連鎖反応を起こす反応ですが、この反応も、反応後に質量欠損と同じ分のエネルギーが発生します。
    核分裂でエネルギーが発生する理屈を中性子が持っている核力を起源とした核子の運動エネルギーを省略して分かり易く説明すると、原子核は核子間に核力を起源としたクーロン斥力やアイソスピンによる縮退圧のポテンシャルエネルギーが蓄えられているけれど、吸収された中性子が核力によって加速されてエネルギーが増大し、そのエネルギーによって原子核が変形して核子間の距離が離れる箇所が発生し、核力のポテンシャルは湯川ポテンシャル(Wikipedia)で近距離力なので、その部分で核力を維持出来なくなり、その部分から核分裂が起きて原子核が複数の原子核に分裂し、クーロン斥力やアイソスピンによる縮退圧のポテンシャルエネルギーが解放されるのではないでしょうか。*1
    また、核分裂で高速中性子を放出するのは、核分裂後の原子核の中で中性子が過剰になって中性子のアイソスピンによる縮退圧が優勢となって一部の中性子の核力による結合が解け、中性子が持っていた核力を起源とした高い運動エネルギーに同じく核力を起源としたアイソスピンによる縮退圧のエネルギーが付加されるからではないでしょうか。*2
    *1 核分裂の過程はかなり複雑で、詳細な説明は省略していますので注意してください。
    *2 詳しい説明は省略しますが、原子核は軽くなればなるほど、中性子の数の比率が低下する傾向があります。
    追記:
    *2の詳しい説明は、どうして中性子線は危険なのかの初めの部分を見てください。

    質量欠損によってエネルギーが発生する理由について(2)

    ところで、Android版のCOCOAと同じような事にならないために、質量欠損によってエネルギーが発生する理由についての内容のテストを兼ねて、核融合(Wikipedia)でエネルギーが発生する理由を説明したいと思います。
    核融合発電で利用しようとしている核融合はD-T反応(Wikipedia)ですが、D-T反応では、反応前の2Hと3Hの合計質量から反応後の4Heとnの合計質量を差し引いた値の質量欠損が発生し、質量欠損と同等のエネルギーが発生します。
    nが放出されるのは、2Hと3Hがクーロン斥力よりも核力による引力が優勢になる距離以下に接近して衝突した後に2p+3nの結合状態(5He?)が瞬間的に生成されるけれど、真空のエネルギーに限界があるため、真空のエネルギーによって生成される仮想中間子の交換力=核力に限界があり、2p+3nの結合状態(5He?)を維持出来なくなり、瞬時に4Heとnに崩壊して高エネルギーの4Heと中性子に分裂するのではないでしょうか。*1
    この反応で質量欠損が起きるのは、4Heの結合エネルギーの絶対値が2Hと3Hの結合エネルギーの絶対値の和よりも大きいからです。
    結合エネルギーが大きいと重くなるのではないかと思われるかもしれないですが、結合エネルギーの値はマイナスなので、質量とエネルギーの等価関係に基づいて軽くなります。
    古典論的な円軌道や原子核に束縛された電子の軌道を考えると、回転半径が小さい方が引力が強いけれども、運動エネルギーは少さい事を考えれば、この事は納得出来るのではないでしょうか。
    このように考えると、原子核は大雑把に言えば、核力を起源にしたエネルギーによって何らかの軌道運動を行っている核子が核力で繋ぎとめられていると考えられます。
    そして、原子核が全体的に核力が強くなって結合エネルギーの絶対値が大きくなると核子が動けなくなって核子の運動エネルギーが小さくなり、逆に原子核が全体的に核力が弱くなって結合エネルギーの絶対値が小さくなると核子が動けるようになって核子の運動エネルギーが大きくなると考えられます。
    また、核力のポテンシャルの形は湯川ポテンシャル(Wikipedia)で近距離力なので、核子間の距離が一定程度離れると、核力を担う仮想中間子が消滅して核子間の結合が解けて3Hと2Hが持っていた核子の運動エネルギーの一部と3Hと2Hの内の中性子の間に蓄えられていた同じく核力を起源としたアイソスピンによる縮退圧のポテンシャルエネルギーの一部が解放されると考えれば良いのではないでしょうか。
    *1 この場合に解放される4Heと中性子のエネルギーの値はD-T反応(Wikipedia)を見てください。
    追記:
    D-T反応後に中性子の方がヘリウムより約4倍のエネルギーが高い理由については、非相対論的なレベルの説明ですが、衝突と反跳についてを見てください。

    質量欠損によってエネルギーが発生する理由について

    またまた、無学の「わきまえない男」が老爺心を発揮させていただきたいと思います。
    核反応による質量欠損(Wikipedia)によってエネルギーが発生するのは誰でもご存じだとは思いますが、どうして核反応によって質量欠損が発生し、質量欠損によってどうしてエネルギーが発生するのかご存じでしょうか。
    この件についてネットで調べて見ましたが、まともな説明が全く見つからないので、仕方なく、自分で考えて見ました。
    核融合や核分裂等の原子核レベルの反応で質量欠損が起きるのは、核反応によって核子間の仮想中間子の交換力である核力の一部が維持出来なくなり、核力で結合されていた核子間の結合が解け、核子間の核力による結合によって閉じ込められていた核力を起源とした核子の運動エネルギーや、同じく核力を起源にしたクーロン斥力やアイソスピンによる縮退圧のポテンシャルエネルギーが解放されるからではないでしょうか。
    そして、これらのエネルギーが解放されるので、質量とエネルギーの等価性に基づいて質量欠損が起きるのではないでしょうか。*1 *2
    もしこの考えがある程度正しければ、「わきまえない力」のエネルギーが威力を発揮したという事にならないでしょうか(笑)
    *1 質量とエネルギーの等価性については、E=mc^2についてを見てください。
    *2 核子間には、スピンによる縮退圧も作用していると考えられますが、核子間ではスピンによる縮退圧の作用の影響は、かなり微弱ではないかと考えます。

    光子同士の衝突について

    私は、「わきまえない男」なので、無学なのに老爺心を全開にして、光子のパラドックスについて(2)電磁場の零点振動について等で、光について長々と説明してきましたが、光子同士を衝突させたらどうなるのかという事もついでに説明しておきたいと思います。
    KEKの光と光をぶつけたらを見れば、エネルギーが高い場合、光子同士が衝突すると、光子が持っているエネルギーに見合った粒子が生成される事が分かるのではないでしょうか。*1
    現時点では、光子同士が衝突するとエネルギーに見合った粒子が生成される理由は正確には解明されていないと思いますが、光子を大きさと内部構造を持った粒子であると考え、大きさと内部構造を持った光子同士が衝突すると、衝突した瞬間に何らかの物理過程が発生し、内部構造に変化が起きて別の内部構造を持った粒子に変化するという事ではないでしょうか。
    因みに、ブラックホールの帯電についてで説明した通り、光子はエネルギーが高い場合、光子同士が衝突しなくても、単独で別の粒子に変化する場合があるのですが、この事も、光子が量子ゆらぎ (Wikipedia)によって何らかの物理過程が発生し、内部構造に変化が起きて別の粒子に変化するという事ではないでしょうか。
    そして、超ひも理論が完成すれば、このような事がスッキリと説明出来る日が来るのではないでしょうか。
    *1 KEKの光と光をぶつけたらの図は光子が3次元空間をジグザク運動しているように表現されていますが、光子が直線運動しないと、周波数に応じて光子の速度が変わってしまう事に注意してください。

    電磁場の零点振動について

    光子のパラドックスについて光子のパラドックスについて(2)等で、光子について考えて来ましたが、重要な事を説明するのを忘れていた事を思い出しました。
    その内容は、カシミール効果(Wikipedia)を引き起こす、E=hν/2の電磁場の零点エネルギー(Wikipedia)の事ですが、電磁場の零点エネルギーは、電磁場を量子化する事によって導出出来ます。
    このエネルギーは電磁場の零点振動(Wikipedia)によって発生し、速度も光速なので立派な光です。

    この光は、単一波長の光のエネルギーも進路方向も観測出来ず、場の零点エネルギーを間接的に観測出来るだけですので、カシミール効果についてを見てください。
    従って、光には電磁場の零点振動による光と、光子による光の二種類があるという事になります。

    両者は電磁波を伴っているという意味では同じですが、実体構造的は異なるというように差し当たり理解しておけば良いのではないでしょうか。*1
    *1 電磁場の零点振動による光にエネルギーを加え、E=hνのエネルギーになると光子になるという話をどこかで見た記憶がありますが、私はこの事を理解していないため、この表現にとどめさせていただきます。

    光の干渉について

    例えば大阪教育大学のヤングの干渉実験で示されているような、光の干渉の古典論的な説明は高校の物理を中心にして広く説明されていますが、内容的に足りない点があるのではないでしょうか。
    光を古典論的な波動として考えると、光の波長と位相が揃っていないと奇麗な干渉縞が出来ない事になるのですが、現実の光は波長だけ揃っていれば干渉縞は奇麗に表れるはずです。*1 *2
    従って、高校等でもこの理由をきちんと説明すべきではないでしょうか。
    光子のパラドックスについて(2)で説明した内容に基づけば、現実の光が位相が揃っていなくても干渉縞が出来るのは、一つの光子に付随する波動関数同士だけしか干渉しないからではないでしょうか。
    もし、位相が異なる別々の光子が干渉し合って光を弱めてしまうと考えた場合、E=hνという公式が成り立たず、エネルギー保存の法則も破れてしまう事になります。
    例えば、古典論的には、周波数がνでE=hνのエネルギーを持つ光を半波長ずらして完全に重ねた場合、E=0になってエネルギー保存の法則が破れてしまう事になりますが、量子力学では別々の光子は干渉し合わないため、E=2hνとなってエネルギー保存の法則が保たれます。
    また、位相が揃っていない光に対してフラウンホーファー回折(Wikipedia)フレネル回折(Wikipedia)を適用出来るのは、電磁波と同じ波長をもった波動関数にも、これらの回折理論がそのまま適用出来るからではないでしょうか。
    私は高校生時代にこのような事を全く教えてもらえなかったので、大変つまらない人間になってしまったのではないかと悔やんでいます(笑)
    *1 実験による証拠を提示出来ないため、断定的な表現を避けています。
    *2 冒頭で示したヤングの干渉実験を見ると、位相差が光の縞模様の配置を決定するのであり、光子の位相が揃わなくても、同相の光子の片割れ同士が干渉していれば、縞模様の配置は変わらない事が分かると思います。

    特殊相対性理論における等加速運動について

    ところで、特殊相対性理論における速度合成についてで説明した、u'=(u+v)/(1+uv/c^2)を使うと、平坦な時空での等加速運動も扱えるようになります。
    例えば、一定の力(F=ma')の力を受けて一定の加速度a’で等加速運動する物体の固有時をt'とした場合、速度合成公式から、
    u'(t'+dt')=(u'(t')+a'dt')/(1+u'(t')a'dt'/c^2),u'(t'+dt')-u'(t')=a'dt'(1-(u'(t')/c)^2)/(1+u'(t')a'dt'/c^2)となりますが、dt'→0なのでu'(t'+dt')-u'(t')=du'(t')とすると、du'(t')=a'dt'(1-(u'(t')/c)^2),du'(t')/dt'=a'(1-(u'(t')/c)^2)となります。
    上の結果をdu'(t')/(1-(u'(t')/c)^2)=a'dt'と変形して両辺を積分すると
    ∫(1/(1-(u'(t')/c)^2))
    )du'(t')=∫a'dt' *1
    carctanh(u'(t')/c)=a't'+C
    arctanh(u'(t')/c)=a't'/c+C
    u'(t')/c=tanh(a't'/c+C)
    u'(t')=ctanh(a't'/c+C)
    u'(0)=ctanh(C)
    u'(0)/c=tanh(C)
    arctanh(u'(0)
    /c)=Cとなり、u'(t')=ctanh(a't'/c+arctanh(u'(0)/c))という等加速系の相対速度関数が導出されます。*2
    *1 左辺の積分は、u'(t')が積分変数となっている事に注意してください。

    *2 tanhの関数の形は下のグラフの通りですが、tanh<1ですから、いくら長時間加速しても光の速さは超えられない事が分かります。
    特殊相対性理論における等加速運動について追記:
    特殊相対性理論における等加速運動について(2)も見てもらいたいのですが、u'(t')=ctanh(a't'/c+arctanh(u0'/c))の応用例は双子のパラドックスの計算について(2)を、この関数を積分して得られる等加速系の等加速系から見た移動距離関数については、特殊相対性理論における等加速運動について(2)を見てください。
    追記2:
    ROMさんの指摘を受けて最初の部分の誤りを訂正しましたが、指摘内容は、ROMさんのコメントを見てください。

    特殊相対性理論における速度合成について

    特殊相対性理論における速度合成については、対象系の進行方向と対象系内の進行方向が平行で、対象系との相対速度がvで対象系内の速度がuの場合の速度合成公式の導出法を示したいと思います。*1
    まず、ガリレイ変換を思い出してもらいたいのですが、上記の条件と同じ場合のガリレイ変換はx'=x-vt,t'=tで、逆変換は x=x'+vt,t'=tとなります。
    そして、x/t=x'/t'+vとなり、x=dx,t=dt,x'=dx',t'=dt'と見なすとdx/dt=dx'/dt'+vとなりますが、dx/dt=u',dx'/dt'=uなのでu'=u+vが導出されます。
    ここで、この方法を特殊相対性理論にそのまま当てはめて見ます。
    γ=1/√(1-(v/c)^2)と置くと、xとtのローレンツ変換はx'=γ(x-vt),t'=γ(t-vx /c^2)なので、逆変換はx=γ(x'+vt'),t=γ(t'+vx'/c^2)となり、x/t=(x'+vt')/(t'+vx'/c^2)となりますが、x=dx,t=dt,x'=dx',t'=dt'と見なすとdx/dt=(dx'+vdt’)/(dt'+vdx'/c^2)となり、右辺の分子と分母をdt'で割るとdx/dt=(dx'/dt'+v)/(1+v(dx'/dt')/c^2)となります。
    ここで、dx/dt=u',dx'/dt'=uなのでu'=(u+v)/(1+uv/c^2)が導出されます。
    上記の条件で、さらに対象系内で対象系の進行方向と直交した方向にwの速度で運動している場合の速度合成公式の導出法も示したいと思います。*2
    yのローレンツ変換はy'=yなので、y/t=y'/γ(t'+vx'/c^2)となりますが、x
    =dx,t=dt,x'=dx',t'=dt'と見なすとdy/dt=dy'/γ(dt'+vdx'/c^2)となり、右辺の分子と分母をdt'で割るとdy/dt=(dy'/dt')/γ(1+v(dx'/dt')/c^2)となります。
    そして、dy/dt=w',dy'/dt'=w,dx'/dt'=uなのでw'=w/γ(1+uv/c^2)が導出されます。*3
    *1 最初は、x軸方向の運動だけで考える事にします。
    *2 この公式が役立っている例は、光行差の公式について殊相対性理論における等加速運動についてを見てください。
    *3 x軸方向とy軸方向の運動だけを考えていますが、z方向の成分のローレンツ変換はz'=zなので、z軸方向の運動も同様です。

    光子の偏光について

    光子のパラドックスについて(2)で、光子が古典論的な波動として空間を伝わって行く訳ではなく、光子の波動関数の事を考えなければならない事を示しましたが、もしこの事が正しいとすると、どうして光が直線偏光するのか疑問に思われる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
    電磁気学では、直線偏光は光子の円偏光の重ね合わせで実現出来ますが、量子力学では、光子のスピンが電磁気学の円偏光と直線偏光と古典論的に対応していると考えれば良いのではないでしょうか。
    円偏光=光子のスピンというようにダイレクトに対応していると考えてしまうと、量子力学とあからさまに矛盾してしまうのですが、差し当たり、円偏光の重ね合わせで直線偏光になる事について、総合光学サイトの1: ジョーンズベクトルの部分を理解し、直線偏光を実現できる右回りと左回りの円偏光のジョーンズベクトルを作って確かめて見てはいかがでしょうか。
    尚、x=Acos(ωz)、y=Acos(ωz+π/2)とx=Acos(ωz)、y=Acos(ωz-π/2)の円偏光光を重ね合わせると、x=2Acos(ωz)、y=0のx軸方向の直線偏光光となり、z軸を中心にしてx軸とy軸の成分を回転変換すれば、任意の方向の直線偏光光が作れるので、この方法の方がが理解しやすいかもしれませんね。
    追記:
    かなりいい加減な事を書いていたので、言葉を濁して逃げる事にしました(笑)
    追記2:
    光子の偏光について(2)も見てください。

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