2022/11/19
2022/11/08
チェレンコフ光はどうして発生するのか
2022/10/06
もつれた量子系の分割不可能性について
2021/11/26
量子力学における不確定性関係について
2021/08/15
ベルの不等式の破れについて(6)
2021/08/12
光子の偏光について(2)
垂直フィルターをθだけ傾けたの偏光フィルターに対応する、ジョーンズベクトル(Wikipedia)は|V(θ)>=cosθ|V>+sinθ|H>となりますが、|V>の状態の光子がこのフィルターを通過する確率は<V(θ)|V(θ)>=cos^2θ<V|V>-sin^2θ<H|H>であり、<V|V>=1,<H|H>0なので<V(θ)|V(θ)>=cos^2θとなり、例えばθ=45°の偏光フィルターを通過する場合は、cos^2(45°)=1/2(=50%)となり、垂直方向の偏光フィルターを1/2(=50%)の光子が通過した事を考慮すると、この場合は光子の1/4(=25%)が2枚の偏光フィルターを通過する事になり、垂直フィルターを45°傾けたフィルターを通過した光子の状態は(|V>+|H>)/√2になります。
2021/08/09
遅延選択実験について(3)
2021/07/29
小林・益川理論について
本日、益川敏英さん(Wikipedia)が7月23日に死去されたという悲報がありましたが、益川さんの追悼の意を込めて、小林・益川理論(Wikipedia)について、かなり背伸びをして説明したいと思います。小林・益川理論は、それまでに見つかっていたu,d,s,cの2世代×2のクォーク(Wikipedia)にもう1世代×2のクォーク(t,b)を付け加えて、クォークは全部で3世代×2存在すると仮定して、CP対称性の破れ(Wikipedia)の現象論的な説明に成功した理論で、発表は1973年のようです。
益川さんと小林さんは、1970年に発表されたu,d,s,cの2世代×2のクォークが弱い相互作用を媒介して、別の種類のクォークに遷移する確率を分析する事によって得られたGIM機構(GIMはGlashow,Illipoulos,Mianiの頭文字)では、K中間子(Wikipedia)のCP対称性の破れを説明出来ない事に問題意識を持ち、GIM機構のベースとなった2行2列のユニタリー行列(Wikipedia)を発展させ、3行3列のユニタリー行列であるカビボ・小林・益川行列(Wikipedia)を使用してu,d,s,cの遷移確率を正確化してCP対称性の破れの現象論的説明に成功するとともに、未発見の1世代×2のクォークの存在を予言し、後にそれらのクォーク(t,b)が加速器で発見される事になったという事のようです。
GIM機構で採用された2行2列のユニタリー行列からはCP対称性の破れが出て来なくて、益川さんと小林さんの3行3列のユニタリー行列からCP対称性の破れが出て来る理由を数学的に説明すると大変なので、結論的な事だけを書きますが、弱い相互作用における各クォークの遷移確率を2行2列のユニタリー行列で表現した場合の物理的な自由度は1つであり、その自由度はカビボ角(Wikipedia)となるけれども、3行3列のユニタリー行列で表現した場合は自由度が4つとなり、そのうちの3つの自由度は、カビボ角の3次元版の回転角であると見なせる事になり、もう1つの自由度は、CP対称性の破れの自由度と見なせるという事のようです。
さらに言うと、GIM機構に於ける2行2列のユニタリー行列の要素は全て実数でしたが、益川さんと小林さんの3行3列のユニタリー行列は、複素数を含む事によって初めてCP対称性の破れを表現する事が出来るそうです。
尚、私達が小林・益川理論から得る事が出来る教訓は、ある理論がうまくゆかない場合、現象を説明する要素を増やす事によって、また、これまでわ かっている階層の中に未知の実体が未だ存在すると仮定する事によって、より正しい理論を構築出来たり、これまで認識できなかった実体を発見できる場合があるという事ではないでしょうか。
2021/07/27
パウリの排他原理について
*1 Wikipediaの日本語の観測問題の記事は訳が分からないので、敢えて英語の記事を開くようにしました。
2021/07/05
爆弾検査問題について(3)
2021/07/05
爆弾検査問題について(2)

2021/05/20
ベルの不等式の破れについて(5)
2021/05/19
ベルの不等式の破れについて(4)
(3) スピン方向が同一の場合、測定値は必ず同一値となる。
2021/05/18
ベルの不等式の破れについて(3)
2021/05/14
ベルの不等式の破れについて(2)
2021/03/10
真空のエネルギーについて(2)
2021/02/22
ボーアの量子条件について
2021/02/14
真空のエネルギーについて
2021/02/06
光子同士の衝突について
2021/02/05
電磁場の零点振動について
光子のパラドックスについてや光子のパラドックスについて(2)等で、光子について考えて来ましたが、重要な事を説明するのを忘れていた事を思い出しました。
その内容は、カシミール効果(Wikipedia)を引き起こす、E=hν/2の電磁場の零点エネルギー(Wikipedia)の事ですが、電磁場の零点エネルギーは、電磁場を量子化する事によって導出出来ます。
このエネルギーは電磁場の零点振動(Wikipedia)によって発生し、速度も光速なので立派な光です。
この光は、単一波長の光のエネルギーも進路方向も観測出来ず、場の零点エネルギーを間接的に観測出来るだけですので、カシミール効果についてを見てください。
従って、光には電磁場の零点振動による光と、光子による光の二種類があるという事になります。
両者は電磁波を伴っているという意味では同じですが、実体構造的は別物であるというように差し当たり理解しておけば良いのではないでしょうか。*1
*1 電磁場の零点振動による光にエネルギーを加え、E=hνのエネルギーになると光子になるという話をどこかで見た記憶がありますが、私はこの事を理解していないため、この表現にとどめさせていただきます。