どうして光の速度は水中やガラス中で遅くなるのか

昔から水中やガラス中で光の速度が遅くなる理由を考えていて納得が行く答えを見つけられずにいたのですが、Yahoo!知恵袋(物理学)で同じ質問が出て、ふとチェレンコフ光はどうして発生するのかで作成した図を思い出して、どうして235Uや239Puは核分裂が起きやすいのかの時と同様に脳内に稲妻が走ったので、ブラックホールカテゴリーで展開している独自理論(?)と同様、将来的に「ほら、俺が言っていた事が正しかったじゃないか!!」といやみったらしく言えるようにするために、今のうちにここで記して置きたいと思います(笑)
光が水中やガラス中で速度で速度が遅くなるのは、水中やガラス中の何かに光子が吸収されて再放出されて、この吸収と再放出の時間差によって遅くなるしかないという事は昔から考えていたのですが、もし原子や分子が光子を吸収して再放出すると考えると、どうしても吸収と再放出出来るエネルギーが限られるため、水やガラスのようにほぼ全ての可視光帯の光を規則正しく遅らせる事は出来ないので行き詰まっていました。
そこで、チェレンコフ光はどうして発生するのかで作成した図を思い出して、仮想電子対が光子の吸収と再放出を行うようにし、仮想電子対が対消発生中に光子を吸収し、対消滅した時に光子を再放出するようにすれば、仮想電子対のエネルギーは不確定なので、具体的に光子がどうやって吸収と再放出するかは分からないけれど、吸収と再放出される光子のエネルギーを連続化出来るのではないかとひらめきました。
また、仮想電子対による光子の吸収と再放出では、光子の運動量は基本的に保存されるから光はまっすぐ進むとすれば良いのではないでしょうか。
ただし、エネルギーと時間の不確定性関係を考えると、エネルギーが低い赤の方が吸収と再放出の時間差が長くなってエネルギーの高い青よりも赤のほうが遅くなることになり、この事は現実と正反対の結果になるので気持ちが悪いのですが、青い光のほうが赤い光よりも寿命が長い仮想電子対に吸収され、光子の吸収から再放出までの時間差が大きいという事にしてもらえないでしょうか。

チェレンコフ光はどうして発生するのか

Yahoo!知恵袋(原子力災害)を見ていて、チェレンコフ光の話が出ているのを見て、自分自身がチェレンコフ光の事についてよくわかっていない事に気が付いてネットで調べてみたところ、多分『女王の教室』で天海祐希さんがふんした阿久津真矢先生流に言えば、「あなたたち凡人」は「今のままずーっと愚かでいてくれればいい」という社会的風潮のためだと思いますが、ろくな説明が見当たらなかったので、少し考えて説明図を作成しましたので、どうか見てやってください。
尚、使用済み核燃料プール等の中で電子が水中の光速を超える理由は、高速中性子が水中の電子と衝突して水中の電子を加速するためです。
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もつれた量子系の分割不可能性について

今年のノーベル物理学賞がベルの不等式の破れの実証実験に関するものだったので、ベルの不等式の破れでも取り扱われる、もつれた量子系の分割不可能性(または不可分性)について気になってネットを調べて、清水明さんのEPRパラドックスからベルの不等式へを見つけて分かったような気がしたのですが、今一つすっきりしないので、もっと話を単純化してこの事について考えて見たいと思います。
シュレディンガー方程式の最も単純な波動関数の解は、量子の存在確率がx軸上の全領域で等しいφ=Ae^i(px-Et)/hbarですが、この波動関数をx軸の原点を中心にして空間反転するとφ=Ae^i((-p)(-x)-Et)/hbar=Ae^i(px-Et)/hbarとなります。*1
この二つの波動関数を二つの量子が対発生した場合の波動関数と見立ててp,Eを個別化すると、φ1=Ae^i(p1x-E1t)/hbar,φ2=Ae^i(p2x-E2t)となります。
そして、例えばp1を測定してp1が確定した場合、非相対論的にはE1=|p1|^2/2mとなり、φ1は射影仮説に従って収縮する事になりますが、運動量保存則とE=非相対論的な|p|^2/2mの公式を適用すると、p1=-p2,E1=E2となり、運動量保存則を成立させるためにはφ1の収縮と同時にφ2も収縮しなければならないため、φ1とφ2の間に分割不可能性(不可分性)があるという事になるのではないでしょうか。*2
尚、ベルの不等式の破れの場合は、波動関数をスピンや光子の偏光を表す状態ベクトルに置き換えれば良いだけだと思いますが、ベルの不等式の破れの私の説明については、こちらを見てください。
所詮、標準的な量子力学は、ミクロの領域の実験結果をうまく説明するために人為的な仮定に基づいていろいろな仮定を課して構成された理論なので、あまり用語や数式の物理的な意味にこだわらず、ベルの不等式の破れについてもそうですが、標準的な量子力学のルールに基づくとかくかくしかじかとなり、だれそれの実験で確かめられているという程度で受け止めていたほうが、一度しかない人生を無駄にしなくて済むのかもしれないですね(笑)
*1 標準的な量子力学では、運動量をpとして測定した瞬間に波動関数がAe^i(px-Et)/hbarに確定し、この事を波動関数の収縮と呼ぶのですが、この辺の話は奥が深いので、良心的な専門書等を見てください(笑)
*2 波動関数はこの分割不可能性(不可分性)により、非局所性も合わせ持つことになります。

量子力学における不確定性関係について

Yahoo!知恵袋(物理学)を見ていて、どうして量子力学において不確定性関係が成り立つのかというというような質問が出ていて、私も不確定性関係の証明法を忘れてしまったので、ネットで調べたところ結果だけ示して証明が記されていないサイトが多かったのですが、物理とかというサイトの不確定性関係の証明で証明法が詳細に記されていましたので、きちんと量子力学を学ぶ気がある人は、こちらの内容を理解される事をお勧めします。
尚、Yahoo!知恵袋(物理学)で、波動関数の振幅がガウス分布に従っていて、フーリエ変換を行うと不確定性関係が出て来るというような回答をいくつか見かけましたが、波動関数の振幅がガウス分布に従っていればフーリエ変換によって不確定性関係が出て来るから文句はないですよね、というような証明の形になっていると思えるため、きちんとした証明にはなっていないと思うのは私だけでしょうか。
また、量子の波動関数は、不確定性関係を満たしていれば必ずしも波動関数の振幅がガウス分布に従っている必要はないはずだし、原子核に束縛された電子は、波動関数の振幅がガウス分布に従っているとすると、波動関数のガウス分布の極大値の部分が原子核の周りを周回する事になり、電子の存在確率が高い場所は電荷密度が高いと仮定しなければならないので、ボーアの量子条件について量子ポテンシャル理論についての「追記:」で問題にした束縛電子の電磁波の発生が起きてしまうので、波動関数の振幅がガウス分布に従っているという考え方は、自由粒子の状態の電子にしか適用出来ないのではないでしょうか。
それと、不確定性関係の事を「不確定性原理」と呼ぶ人が多くいらっしゃるようですが、量子力学における位置の演算子と運動量の演算子の非可換性から必然的に導き出される位置と運動量の関係を「原理」と呼ぶのはいかがなものかと思うのは私だけでしょうか。

ベルの不等式の破れについて(6)

ベルの不等式の破れについて(3)で電子等のスピン測定でベルの不等式の破れ(=EPRパラドックス)を説明しましたが、私が光子の偏光方向の測定(=アスペの実験)でのベルの不等式の破れは説明出来ないと思われると悔しいので、光子の偏光方向の測定でベルの不等式の破れ(=EPRパラドックス)の説明を行ってみたいと思います。*1
光子の偏光方向の測定におけるベルの不等式の破れを理解するためのポイントは、量子のスピン方向の測定の場合と本質的には同じですが、以下の通りです。
(1) 必ずどちらか一方の地点で先に測定するように測定ユニットを設置すると話が分かりやすい。
(2) 先に測定する地点で測定した瞬間に両地点の光子の偏光方向が確定するが、両地点の光子の偏光方向の状態は、先に測定した地点の測定方向と測定結果によって完全に決定される事を理解する。*2
(3) 一つの地点で二つの測定ユニットによる同時測定と一つの測定ユニット内で直交する二つの偏光方向の同時測定は出来ないため、一つの地点で二つの測定ユニットによる同時測定出来ると仮定し、2地点×2ユニット×2方向(2方向はお互いに直交)=8方向の測定結果を集計してベルの不等式の破れを評価(=解釈)する必要がある。*3 *4 *5
A地点とB地点の測定ユニットの角度はθだけズレていますが、ジョーンズ計算法(Wikipedia)を利用すると<AB>=<A'B>+<A'B'>-cos2θ,<AB'>=cos2θとなり、この結果を利用すると|<AB>-<AB'>+<A'B>+<A'B'>|>2となる角度の組み合わせが存在し、最大値は2√2となります。*6 *7 *8
*1 光子の直線偏光の仕組みは、光子の偏光についてを見てください。
*2 (2)の内容が、古典論的な現象の測定では存在しない「非局所的相関」といわれる事象の内実です。「非局所的相関」といわれる事象の内実です。
*3 スピンの測定の場合と同様、未知の影響を排除するため、どちらの地点でどの測定器でどのような角度で測定するかや光子の偏光の方向等は完全にランダムになるようにしなければならないようです。
*4 こちらの件については、ベルの不等式の破れについて(3)の「追記3:」を見てください。
*5 θだけ回転した水平偏光フィルターに対応するジョーンズベクトル(Wikipedia)は|H(θ)>=cosθ|H>+sinθ|V>のはずで、光子の通過確率は<H(θ)|H(θ)>=cos^2θ<H|H>+cosθsinθ(<H|V>+<V|H>)+sin^2θ<V|V>=cos^2θ<H|H>+sin^2θ<V|V>となり、θだけ回転した垂直偏光フィルターについて同様に計算すると、光子の通過確率は<V(θ)|V(θ)>=cos^2θ<V|V>+sin^2θ<H|H>となりますが、光子の状態がA地点で|V>,B地点で|H>の場合、B地点の光子の水平偏光フィルターの通過確率=cos^2θ,B地点の光子の垂直偏光フィルターの通過確率=sin^2θとなり、A地点と同様に光子が水平偏光フィルターを通過した場合の測定値を-1,光子が垂直偏光フィルターを通過した場合の測定値を1とすれば、B地点の測定結果の期待値は<B>=-{光子の水平偏光フィルターの通過確率}+{光子の垂直偏光フィルターの通過確率}=-cos^2θ+sin^2θ=-cos2θとなり、同様に計算すると、光子の状態がA地点で|H>,B地点で|V>の場合の期待値は<B>=cos^2θ-sin^2θ=cos2θとなります。
*6 *5と同じです。
*7 四つの測定ユニットの角度がA=0°,A'=45°,B=22.5°,B'=67.5°の場合に|<AB>-<AB'>+<A'B>+<A'B'>|=|-cos(22.5°×2)+cos(67.5°×2)-cos(-22.5°×2)-cos(22.5°×2)|=|-cos45°+cos135°-cos-45°-cos45°|=|-1/√2-1/√2-1/√2-1/√2|=|-4/√2|=4/√2=2√2になりますが、A=0°とした場合の2√2になる組み合わせは他にあるかもしれません。
*8 この場合の2√2は、谷村省吾さんの「揺らぐ境界?非実在が動かす実在」を読んで いろいろ疑問が湧いた人のための補足によると、チレルソン限界と呼ばれているそうです。
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追記:(2023/3/22)
(3)と*4と*5等の内容を訂正しました

光子の偏光について(2)

光子の偏光についての続きですが、光子の偏光面がランダムの場合、証明は省略しますが、偏光フィルターを通過する確率は1/2(=50%)なります。
そして、例えば垂直フィルターを通過した光子の状態はランダムな状態から|V>の状態に確定します。
垂直フィルターをθだけ傾けたの偏光フィルターに対応する
ジョーンズベクトル(Wikipedia)|V(θ)>=cosθ|V>+sinθ|H>となりますが、|V>の状態の光子がこのフィルターを通過する確率は<V(θ)|V(θ)>=cos^2θ<V|V>-sin^2θ<H|H>であり、<V|V>=1,<H|H>0なので<V(θ)|V(θ)>=cos^2θとなり、例えばθ=45°の偏光フィルターを通過する場合は、cos^2(45°)=1/2(=50%)となり、垂直方向の偏光フィルターを1/2(=50%)の光子が通過した事を考慮すると、この場合は光子の1/4(=25%)が2枚の偏光フィルターを通過する事になり、垂直フィルターを45°傾けたフィルターを通過した光子の状態は(|V>+|H>)/√2になります。
そして、さらに水平方向の偏光フィルターを追加すると、上記と同様にこのフィルターを光子は1/2(=50%)の確率で通過するので、最終的に偏光状態をランダムにして発生させた光子の1/8(=12.5%)が3枚の偏光フィルターを通過しますが、この事は下の図を見てください。
|H>の成分をカットしているのに、|V(θ)>=cosθ|V>+sinθ|H>で|H>の成分が再度出て来るのか不思議に思う方がいらっしゃると思いますが、凄く大雑把に言うと、二枚目の偏光フィルターの通過(=観測)によっ偏光方向(=状態)が変わったからであると理解すれば良いのではないでしょうか。
私は、この問題を勝手に「ファインマンの偏光フィルター問題」と勝手に名付けさせてもらいました(笑)
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追記:(2023/3/31)
済みませんが、本文の理論展開があまりにも間違っていましたので、本文を抜本的に訂正しました(反省)

遅延選択実験について(3)

遅延選択実験についてホイーラーの遅延選択実験(Wikipedia)の説明が分かりにくかった人がいらっしゃると思ったので、何時ものように老爺心を発揮して説明図を作って見ました。
下の図は、爆弾検査問題について(2)を変更したもので、天体望遠鏡の先はきちんと書いていないのでホイーラーの遅延選択実験(Wikipedia)Cosmic interferometerのセクションを見てください。
ホイーラーの遅延選択実験の不思議さは、ハーフミラーがある場合は光子は必ず波としてやって来て、ハーフミラーがない場合は必ず粒子としてやって来る事になるので、単純に考えると、人間の意志で遠くからやって来る光子の状態を事後的に決定出来る事になってしまうという事です。*1
もう少し詳しく言うと、遠くの天体からやって来た光子の途中にブラックホールや重い銀河の核があった場合は、光子が波として飛んで来た事にした場合は、例えば光子がブラックホールや重い銀河の核の右側と左側の両方を波として通過して来た事になるけれど、光子が粒子として飛んで来た事にした場合は、例えば光子がブラックホールや重い銀河の核の右側と左側のどちらかを通過して来た事になり、人間が光子の経路を事後的に決定出来る事になってしまって不思議だという事です。
尚、ホイーラーの遅延選択実験は多分単なる思考実験であり、この実験を実際に成功させるのはかなり困難ではないでしょうか(笑)
*1 私の解釈は、遅延選択実験についてを見てください。
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追記:
爆弾検査問題についても見てください。

小林・益川理論について

本日、益川敏英さん(Wikipedia)が7月23日に死去されたという悲報がありましたが、益川さんの追悼の意を込めて、小林・益川理論(Wikipedia)について、かなり背伸びをして説明したいと思います。
小林・益川理論は、それまでに見つかっていたu,d,s,cの2世代×2のクォーク(Wikipedia)にもう1世代×2のクォーク(t,b)を付け加えて、クォークは全部で3世代×2存在すると仮定して、CP対称性の破れ(Wikipedia)の現象論的な説明に成功した理論で、発表は1973年のようです。
益川さんと小林さんは、1970年に発表されたu,d,s,cの2世代×2のクォークが弱い相互作用を媒介して、別の種類のクォークに遷移する確率を分析する事によって得られたGIM機構(GIMはGlashow,Illipoulos,Mianiの頭文字)では、K中間子(Wikipedia)のCP対称性の破れを説明出来ない事に問題意識を持ち、GIM機構のベースとなった2行2列のユニタリー行列(Wikipedia)を発展させ、3行3列のユニタリー行列であるカビボ・小林・益川行列(Wikipedia)を使用してu,d,s,cの遷移確率を正確化してCP対称性の破れの現象論的説明に成功するとともに、未発見の1世代×2のクォークの存在を予言し、後にそれらのクォーク(t,b)が加速器で発見される事になったという事のようです。
GIM機構で採用された2行2列のユニタリー行列からはCP対称性の破れが出て来なくて、益川さんと小林さんの3行3列のユニタリー行列からCP対称性の破れが出て来る理由を数学的に説明すると大変なので、結論的な事だけを書きますが、弱い相互作用における各クォークの遷移確率を
2行2列のユニタリー行列で表現した場合の物理的な自由度は1つであり、その自由度はカビボ角(Wikipedia)となるけれども、3行3列のユニタリー行列で表現した場合は自由度が4つとなり、そのうちの3つの自由度は、カビボ角の3次元版の回転角であると見なせる事になり、もう1つの自由度は、CP対称性の破れの自由度と見なせるという事のようです。
さらに言うと、GIM機構に於ける2行2列のユニタリー行列の要素は全て実数でしたが、益川さんと小林さんの3行3列のユニタリー行列は、複素数を含む事によって初めてCP対称性の破れを表現する事が出来るそうです。
尚、私達が小林・益川理論から得る事が出来る教訓は、ある理論がうまくゆかない場合、現象を説明する要素を増やす事によって、また、これまでわ かっている階層の中に未知の実体が未だ存在すると仮定する事によって、より正しい理論を構築出来たり、これまで認識できなかった実体を発見できる場合があるという事ではないでしょうか。

パウリの排他原理について

パウリの排他原理(Wikipedia)(またはパウリの排他率)は、量子力学の観測問題(Wikipedia)と同様、なかなか直観的に理解しがたい内容ですが、この事について未だご存じない方に対して私なりに説明をしたいと思います。*1
パウリの排他原理の核心的な内容は、フェルミ粒子とボース粒子の個所を見てもらいたいのですが、二つの粒子を入れ替える波動関数の変換をψ(r1,σ1,r2,σ2)=Cψ(r2,σ2,r1,σ1)とすると、粒子の入れ替えを二回行った場合はψ(r1,σ1,r2,σ2)=C^2ψ(r1,σ1,r2,σ2)となるのでC±=1となり、フェルミ粒子をC=-1としてボーズ粒子をC=1とすると、同一のスピン方向を持つ同一の種類の二つのフェルミ粒子が同一の位置に存在する場合の波動関数は、同一の種類の二つのフェルミ粒子の区別は出来ないから、ψ(r1,σ1,r2,σ2)=-ψ(r2,σ2,r1,σ1)=0(=確率ゼロ)とならざるを得ないので、このような状態は存在出来ないという事のようです。
この事は、自由粒子で考えると位置とエネルギーの不確定性を考慮して粒子の軌道を考えなければならなくてかなり難しいので私もうまく説明出来ないですが、原子内の電子の軌道で考えれば、ψを特定の電子の軌道の二つの電子の波動関数と見なし、二つの電子が原子内で波として存在していると仮定すると、同一の電子の軌道に同じスピン方向を持った電子が複数存在する事は出来ないという分かり易い結論が得られる事になります。*2
また、この事から、電子のスピンの方向は2方向しかないので、同一の電子の軌道に2つの電子しか共存出来ないという事になります。
尚、フェルミ粒子がC=-1となってボーズ粒子がC=1となる事は、多分という事ですが、理論的には導出不能なため、実験事実の要請として取り扱うしかないのではないでしょうか。
因みに、「ウィグナーの友人」の実証実験の成功についてで波動関数は実在ではない事が実証された事を説明しましたが、実在ではない物に対して便宜的に行った計算の結果が、どうして実在を正確に表現するのでしょうかね。
まあ、量子力学は、有能な物理学者が実験事実のつじつまが合うように試行錯誤して理論を構築していったら、いつの間にか大変有用な理論が出来上がったという事だと思いますが、大それた事を考えずに、疑問を押し殺して着実に相対性理論や量子力学を勉強をすれば、私のように原発やリニアモーターカーや地球温暖化や電気自動車等についての真実が見えて来るのではないでしょうか(笑) *3
また、量子力学の観測問題が気になって量子力学の勉強が手につかない方が、疑問を押し殺して勉強に打ち込めるようになってもらうために、非局所的な隠れた変数理論について等を記していますのでこちらの内容で量子力学に対する怒りを収めてもらえないでしょうか(笑)
*1 Wikipediaの日本語の観測問題の記事は訳が分からないので、敢えて英語の記事を開くようにしました。
*2 この事は、少し考えれば比較的簡単に分かると思いますので、量子力学を真面目に理解する気がある方に対する演習問題とします(笑)
*3 世の中には、相対性理論や量子力学を私の何百倍も理解しているにもかかわらず、原発やリニアモーターカーや地球温暖化や電気自動車等についての真実が見えているのに、見えていないふりをしていると思える方がいらっしゃるようですが、そのような方は、多分という事ですが、勉強をし過ぎて、世間様に当たり障りがある真実を真周面から見ようとする事の大事さを忘れてしまったのではないでしょうか(笑)

爆弾検査問題について(3)

弾検査問題について(2)で示した方法では、爆弾を爆発させずに爆弾の存在を判定出来る確率は25%しかありませんが、これで説明が終わってしまっては、世間様に対して当たり障りのない話しか出来ない方に顔向けが出来ないので、爆弾を爆発させずに爆弾の存在を判定する確率を高める事が出来る方法を自力で考えて説明図を作成して見ました(笑)
そこで、下の説明図を見てもらいたいのですが、爆弾がない場合は光子は波としてふるまい、検出器Bと検出器Cの経路では必ず位相反転した光の波との打ち消し合いが起き、一人前の光子を形成出来ないので、弾検査問題について(2)と同様に検出器Aで光子が100%の確率で検出されます。
爆弾がある場合の説明図は省略しましたが、爆弾がある場合は光子は粒子としてふるまうので、爆弾が爆発する確率は25%で検出器Aで光子が検出される可能性は25%で検出器Bと検出器Cで検出される確率は共に25%となり、弾検査問題について(2)で示した方法の2倍の50%の確率で爆弾を爆発せずに爆弾が存在する事を判定出来るようになるはずです。
そして、光子の検出器とハーフミラーを同じような形で増やして行けば、爆弾を爆発させずに爆弾がある事を正しく判定出来る確率をかなり高く出来るのではないでしょうか。zmystery21.jpg
追記:
遅延選択実験について(3)も見てください。

爆弾検査問題について(2)

最近、世間に対して当たり障りのない事しか記していないので物足りなさを感じる方が多いと思いますが、爆弾検査問題についてで紹介した爆弾検査問題(Wikipedia)を見てもネットを見ても意味が分からない方がそれなりにいらっしゃると思うので、いつものように老爺心を発揮して、爆弾検査問題(ペンローズのオジサン的には「Zミステリー」です。)の説明図を作って見ました。
爆弾検査問題は極簡単に言えば、光子がぶつかったら爆発する爆弾が試験台に存在するかどうか、光子を使って爆弾を爆発させずに25%の確率で正しく判定出来るというのが不思議だという話しです。*1
爆弾が有る場合は、50%の確率で爆発するけれど、25%の確率で検出器Bで光子が検出され、その場合は100%爆弾が試験台にあると断言出来るという事です。
尚、爆弾がない場合は100%の確率で検出器Aで光子が検出されるのですが、この理由は、光子が検出器Bの方向に行こうとすると、位相反転した光の波の打ち消し合いが起きて、一人前の光子の波が形成出来ないからです。*2
一方、爆弾が有る場合は光子は粒子としてふるまうため、波の打ち消し合いや重なりは起きないので、必ずどちらか一方の経路を通る事になり、検出器Bで光子でも検出されるようになるという事です。
*1 下の説明図の場合は、検出器側のハーフミラー(Wikipedia)は、上から来た光子は反射時に位相反転するけれど、左から来た光子は反射時に位相反転しない仕組みになっている事に注意してください。
*2 光子は一人前にならないと、つまりE=hνのエネルギーを持たないと、検出器で検出出来ない事に注意してください。
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追記:
爆弾検査問題について(3)も見てください。
追記2:
言い忘れましたが、ここでの「光の波」は、光子のパラドックスについて(2)で説明したように、古典論的な波ではなく、光子の波動関数の波を示していますので、注意してください。

ベルの不等式の破れについて(5)

ベルの不等式の破れについて(3)で「後で測定する地点の測定器でスピン測定結果の平均値が1/√2や-1/√2になる」事について「ネットで調べてもらえないでしょうか(笑)」とほざいていましたが、暇なので、この事について簡単に説明してみたいと思います。
まず、物理とかの任意角度のスピンと1qubitの状態を見てもらいたいのですが、測定装置はxz平面上に存在し、θはxz平面上の回転角度であり測定器Aはθ=0方向を測定するという設定にすると、ベルの不等式の破れについて(3)の|↑>,|↓>は|0>,|1>に対応し、「測定器の回転に合わせてパウリ行列を回転変換した行列」はS(θ,0)に対応します。
そして、縦ベクトルを[]で表すと|↑>=|0>=[1 0],|↓>=|1>=[0 1],<↑|=<1|=(1 0),<↓|=<1|=(0 1)となり、例えば、先にA地点の測定器Aの測定結果が1の場合のスピン方向の状態ベクトルを|0>とすると、その場合はB地点のスピン方向の状態ベクトルは|1>なので、B地点のBとB'の測定値の期待値は、量子力学の定石に従って計算すると<1|S(θ,0)|1>=[0 1]S(θ,0)(0 1)=S_11(θ,0)=-cosθとなります。
また、測定器Aと測定器Bの角度のズレをθ、測定器Aと測定器B’の角度のズレをθ'すると、<AB>=-cosθと<AB'>=-cosθ'となりますが、これと同じように計算すると、<A'B>も<A'B'>も測定器Aと測定器A'の測定結果が-1の場合も、<AB>~<A'B'>は全て-cosなんちゃらになります。*1
尚、私には、どうやってS(θ,φ)が求められるのかという事は任意角度のスピンと1qubitの状態の説明を見ても、今の所すっきりとは理解出来ませんが、θやφに0やπ/2を代入するとσx,σy,σzを作れますので、暇がある方は確かめてください。
ところで、ここまで説明して見て、ベルの不等式の破れについて(3)の分かり易さに自分で惚れ惚れとしたのですが、「エーレンフェストのパラドックス」や「テレル回転」や「二台のロケットのパラドックス」と同様、私の記事や説明図がGoogleの上位に登場したら、「暇人」の優位性が証明されたという事で宜しいでしょうか(笑)
*1 S_11は行列Sのi=j=1の成分という意味です。
追記:

ベルの不等式の破れについて(4)

ベルの不等式の破れについて(3)で、量子力学的なスピンを測定するとベルの不等式を破る事を説明しましたが、老爺心をブーストして、ベルの不等式の破れについて(3)と出来るだけ同じ条件の古典論的なスピンを測定した場合に、ベルの不等式を破らない事をLibreOfficeのcalcを使用して軽く確認した結果をお知らせしたいと思います(笑)
古典論的なスピンを想定した測定環境は、
(1) スピン方向の値は0~2πの間の連続値で、A地点とB地点では正反対である。
(2) スピン方向は測定による影響がなく、同一地点で二つの測定器で同時に二つの方向の測定が出来る。
(3) スピン方向が同一の場合、測定値は必ず同一値となる。
(4) A地点とB地点の測定ユニットの角度のズレはベルの不等式の破れについて(3)の場合と同様45°とする。
(5) A地点のスピン方向がθ場合、A=cosθ,A'=sinθとした場合のB地点のスピン方向はθ+π/2なので、B=cos(θ+3π/4),B'=sin(θ+3π/4)とする。
ですが、古典論的な測定を想定した|AB-AB’+A’B+A’B’|は、量子力学的なスピンの測定を想定した|<AB>-<AB’>+<A’B>+<A’B’>|の丁度半分の2/√2=√2となりました。
尚、量子力学的な測定を想定した場合は平均値で計算していて、古典論的な測定を想定した場合は確定値で計算していますが、古典論では理論的には測定値のばらつきは存在しない事に注意してください。
それと、この説明を見て、ベルの不等式の破れについて(3)の(3)の前提が胡散臭いと改めて思った方がいらっしゃるのではないかと思うのですが、これは「量子力学」という名前のゲームのルールだと思って割り切った方が、人生を無駄に空回りさせなくて済むのではないでしょうか(笑)
因みに、ベルの不等式が破られる事をEPRパラドックス(Wikipedia)と言われているのですが、何がパラドックスなのかといえば、ここで説明した古典論的スピンの違いを考えると、量子論的なスピンの特徴は、
(1) 先に測定する地点の測定器の測定方向によって両地点のスピン方向の状態が制約されてしまう。
(2) 先に測定する地点の測定器で測定した瞬間に後で測定する地点のスピン方向の状態も確定する。
という事ではないでしょうか。*1
*1 古典論的に考えると、量子のスピン方向の情報が光の速さを超えてエンタングルした量子に伝わっているように思えるかもしれないですが、超光速通信は出来ない事は、超光速通信の仕組みを考えて痛い目に合うと体で理解出来るのではないでしょうか(笑)
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追記:
ベルの不等式の破れについて(5)も見てください。

ベルの不等式の破れについて(3)

ベルの不等式の破れについて(2)であいまいな説明で言葉を濁して逃げていたのですが、私のような人間でもベル不等式の破れ(=EPRパラドックス)を理解出来る説明を考えて下の説明図を作って見ました。
量子のスピン方向の測定におけるベル不等式の破れを理解するためのポイントは、以下の通りです。
(1) 必ずどちらか一方の地点で先に測定するように測定ユニットを設置すると話が分かりやすい。
(2) 先に測定する地点で測定した瞬間に両地点のスピン方向が確定するが、両地点のスピン方向の状態は、先に測定した地点の測定方向と測定結果によって完全に決定される事を理解する。*1
(3) 一つの地点で二つの測定方向による同時測定は出来ないため、2地点×1ユニット×2方向=4方向の測定結果を二つの測定方向による同時測定が出来ると仮定して集計してベルの不等式の破れを評価(=解釈)する必要がある。*2
下の説明図の場合、A地点とB地点の測定ユニットの角度のズレは45°でcos45°=1/√2でcos135°=-1/√2ですから、後で測定する地点の測定器でスピン測定結果の平均値が1/√2や-1/√2になる事は殆ど自明に思えると思いますが、測定器の回転に合わせてパウリ行列を回転変換した行列とスピンの方向を表す状態ベクトルを使って平均値を計算するとこの事を確認出来ますので、この計算法をネットで調べてもらえないでしょうか(笑)
*1 (2)の内容が、古典論的な現象の測定では存在しない「非局所的相関」といわれる事象の内実です。
*2 未知の影響を排除するため、どちらの地点でどちらの測定器でどのような角度で測定するかやスピンの方向等は完全にランダムになるようにしなければならないようです。
epr9.jpg
追記:
パウリ行列を回転変換した行列とスピン方向を表す状態ベクトルを使って平均値を計算する方法をベルの不等式の破れについて(5)で記しましたので見てやってください。
追記2:
光子の偏光方向の測定によってベルの不等式の破れを実証したアスペの実験の説明は、ベルの不等式の破れについて(6)を見てください。
追記3:(2023/4/11)
AとA'もBとB'も同時測定が不可能なので、AとA'もBとB'もどちらで測定するのかランダムに決めるとすると、A,A'B,B'で測定する確率はそれぞれ1/2ですから、|(<AB>-<AB’>+<A’B>+<A’B’>)/2|と2を比較するのが自然だと思えるのですが、ベルの不等式はAとA'もBとB'も同時測定が可能な古典論的なスピンと比較するために|(<AB>-<AB’>+<A’B>+<A’B’>)/2|を2倍にして|<AB>-<AB’>+<A’B>+<A’B’>|と2を比較するルールになっていると考える事も可能ではないでしょうか。
したがって、この事を考慮すれば、ベルの不等式は現実的には破れていないと解釈する事も可能ではないでしょうか(笑)

ベルの不等式の破れについて(2)

ベルの不等式の破れについての続きとして、エンタングルした粒子を測定するとどうしてベルの不等式を破るのかという大それた内容(=EPRパラドックス)を説明しようとして頑張っていたのですが、秋田大学の量子論の非局所性とBell-CSH不等式という分かり易そうな説明が見つかりましたので、こちらを見て理解していただけないでしょうか(笑)
ところで私は、エンタングルした粒子の状態ベクトルが二地点のスピンの状態ベクトルのテンソル積の和ではなくて差になる理由が他の説明では理解出来なくてつまづいていたのですが、秋田大学の量子論の非局所性とBell-CSH不等式のP9に「全スピンS=0」と説明されているので、状態ベクトルを上記のように定義しないと「全スピンS=0」にならないという事だと思いました。*1
それと、P10にcosなんちゃらがいっぱい出てきますが、測定器の回転に対応してパウリ行列を変換した行列とスピンの方向を表す状態ベクトルに基づいてE(a,b)等を計算すると、-cosなんちゃらだけがあぶり出されるという事のようですね。
尚、老爺心ながら申し上げますが、ベルの不等式やエンタングルメントについてのネット上に氾濫している訳が分からない説明や主張に引っかかって役に立たない知識を刷り込まれないよう、くれぐれもご注意ください(笑)
*1 テンソル積の説明は、めもめもの量子計算のための「テンソル積」入門を見てください。
追記:

真空のエネルギーについて(2)

真空のエネルギーについての続きですが、日経サイエンスの最新号真空エネルギーと暗黒エネルギーは折り合えるかを見たところ、真空のエネルギーが膨大になってしまうのは、「単純に負のエネルギーの仮想粒子を認めていないからであるという事はあり得ないのでしょうか。」という事で間違いないのではないかと思えて来ました。
ただし、私のような単純な考え方だけでは、ダークエネルギーは出て来ないので、上記の記事には、時空からダークエネルギーを紡ぎだせるようにするためのアイデアが記されていました。
尚、重力子に関連する話題も出ていましたが、重力子のパラドックスについてという大問題がある事に注意してください。
それと、ついでですが、ハッブル定数 食い違う観測値によると、距離測定法が異なると距離に食い違いが見られるそうですが、これはもしかすると、宇宙の時間経過による物理定数の変化を予想したディラックの大数仮説(Wikipedia)が真実味を帯びて来た可能性があるのではないかと思えて来ました。

ボーアの量子条件について

原子核の周りの周りを回る電子の波動関数がどうして定常波にならなければならないか改めて考えて見ました。
私もこれまで、例えば九州大学の1-1: ボーアの量子論 と ド・ブローイ波で説明されているような説明で理解していたつもりになっていたのですが、よくよく考えて見たら、電子が右回りと左回りの重ね合わせ状態である事を考慮する事がある事を思い出したので、この事を確認したいと思います。
右回りの電子と左回りの電子の重ね合わせ状態というのは、φ=φR+φLというようにに表され、電子の軌道上の一点をx=0として細かい話を無視してx軸がループ状になtって電子の軌道上に存在すると仮定すれば、θRとθLをそれぞれの波動関数の位相とすると、スピンを考慮しない波動関数はφR=(A/√2)e^i(px-Et+θR)/hbarとφL=(A/√2)e^i((-p)(-x)-Et+θL)/hbarというように模式的に表せると思います。*1
そして、例えばθR=θL=θとすると、φR+φL=(A/√2)e^i(px-Et+θR)/hbar+(A/√2)e^i((-p)(-x)-Et+θL)/hbar=Ae^i(px-Et+θ)/hbarとなるため、この波動関数が電子の軌道上で定常波にになる場合のみ電磁波が放出されない事になるので、重ね合わせを考慮しても結論は何も変わらないという事になるようですね。*2
*1 運動量はベクトル量なので、運動方向が逆転すると、波動関数内の運動量もマイナスになるのではないでしょうか。
*2 φR+φLもφRもφLも波動関数の形が変わらないため、右回りの電子と左合わせの電子の重ね合わせを考慮してもしなくても、結果的には同じ事だと思いました。
追記:
限りなく強い磁場の中では、電子の回転方向は限りなく右回りか左回りのどちらか一方になってしまう事に注意してください。
追記2:
量子力学における不確定性関係についてに関連する内容を記しましたので、どうか見てください。

真空のエネルギーについて

今頃知ったのですが、ビッグバン宇宙国際研究センターのはじめも終わりもインフレーションのP46によると、「真空は量子論的なエネルギーを持つはず。しかもその大きさは単純に計算すると観測値より120桁も大きい!謎」とされているそうです。
しかしこれは、単純に負のエネルギーの仮想粒子を認めていないからであるという事はあり得ないのでしょうか。
確かに電磁場の偏極の原因となる仮想電子やカラー場の偏極の原因となる仮想中間子は正のエネルギーで間違いないようですが、裸の電荷を持つ電子のエネルギーはマイナス無限大とされていますので、マイナスのエネルギーの粒子が絶対に存在しないという事にはならないと思います。
従って、ダークエネルギー等を考慮しなければ、何もない空間では、真空の揺らぎによって正のエネルギーと負のエネルギーに分裂し、正のエネルギーの仮想粒子と負のエネルギーの仮想粒子が対生成し、エネルギー保存の法則が完全な形で保たれているのではないでしょうか。
もしこの考えが正しければ、真空のエネルギーが「単純に計算すると観測値より120桁も大きい」という事には決してならなはずですし、ホーキング放射についてで記した内容も正しいという事になり、めでたしめでたしとなるのではないでしょうか。

光子同士の衝突について

私は、「わきまえない男」なので、無学なのに老爺心を全開にして、光子のパラドックスについて(2)電磁場の零点振動について等で、光について長々と説明してきましたが、光子同士を衝突させたらどうなるのかという事もついでに説明して置きたいと思います。
KEKの光と光をぶつけたらを見れば、エネルギーが高い場合、光子同士が衝突すると、光子が持っているエネルギーに見合った粒子が生成される事が分かるのではないでしょうか。*1
現時点では、光子同士が衝突するとエネルギーに見合った粒子が生成される理由は正確には解明されていないと思いますが、光子を大きさと内部構造を持った粒子であると考え、大きさと内部構造を持った光子同士が衝突すると、衝突した瞬間に何らかの物理過程が発生し、内部構造に変化が起きて別の内部構造を持った粒子に変化するという事ではないでしょうか。
因みに、ブラックホールの帯電についてで説明した通り、光子はエネルギーが高い場合、光子同士が衝突しなくても、単独で別の粒子に変化する場合があるのですが、この事も、光子が量子ゆらぎ (Wikipedia)によって何らかの物理過程が発生し、内部構造に変化が起きて別の粒子に変化するという事ではないでしょうか。
そして、超ひも理論が完成すれば、このような事がスッキリと説明出来る日が来るのではないでしょうか。
*1 KEKの光と光をぶつけたらの図は光子が3次元空間をジグザク運動しているように表現されていますが、光子が直線運動しないと、周波数に応じて光子の速度が変わってしまう事に注意してください。

電磁場の零点振動について

光子のパラドックスについて光子のパラドックスについて(2)等で、光子について考えて来ましたが、重要な事を説明するのを忘れていた事を思い出しました。
その内容は、カシミール効果(Wikipedia)を引き起こす、E=hν/2の電磁場の零点エネルギー(Wikipedia)の事ですが、電磁場の零点エネルギーは、電磁場を量子化する事によって導出出来ます。
このエネルギーは電磁場の零点振動(Wikipedia)によって発生し、速度も光速なので立派な光です。

この光は、単一波長の光のエネルギーも進路方向も観測出来ず、場の零点エネルギーを間接的に観測出来るだけですので、カシミール効果についてを見てください。
従って、光には電磁場の零点振動による光と、光子による光の二種類があるという事になります。

両者は電磁波を伴っているという意味では同じですが、実体構造的は別物であるというように差し当たり理解しておけば良いのではないでしょうか。*1
*1 電磁場の零点振動による光にエネルギーを加え、E=hνのエネルギーになると光子になるという話をどこかで見た記憶がありますが、私はこの事を理解していないため、この表現にとどめさせていただきます。

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