これがスマートに解けたらあなたもニュータイプ?(2)

Yahoo!知恵袋(数学)を見ていたら、一見すると簡単そうに見えるけれど、なかなか面白い問題が出ていたので、暇つぶしのために紹介させていただきます。
問題は、lim[n→∞](√(n+5)-√(n+3))/(√(n+1)-√n)の極限値を求めよというものでした。
因みに、簡単に考え付くのは、分子と分母をそれぞれ√nで割り、lim[n→∞](√(1+5/n)-√(1+3/n))/(√(1+1/n)-1)に変形する事だと思いますが、このままではnを無限に近づけても分子も分母も0に近づくので、極限値を求める事が出来ません。
そこで私が思いついたのは、√xのf(1)=1を利用したテイラー展開の1+(x-1)/2-(x-1)^2/8・・・を利用すると、√(1+x)=1+((1+x)-1)/2-((1+x)-1)^2/8・・・=1+x/2+x^2/8・・・となり、第3項以降を無視して、lim[n→∞]((1+5/2n)-(1+3/2n))/(1+1/2n)-1)=(2/2n)/(1/2n)=2というようにして極限値を求める方法でしたが、これでは全くニュータイプらしくないですよね。
そうこうしているうちに、この問題に対して回答がついたのですが、その内容は、(√(n+5)-√(n+3))/(√(n+1)-√n)の分子と分母にそれぞれ(√(n+5)+√(n+3))(√(n+1)+√n)を乗じるというもので、途中の計算を省略しますが、(√(n+5)-√(n+3))/(√(n+1)-√n)=2(√(n+5)+√(n+3))/(√(n+1)+√n)と変形出来て、分子と分母をそれぞれ√nで割り、結果的にlim[n→∞]2(√(1+5/n)+√(1+3/n))/(√(1+1/n)+1)=2(1+1)/(1+1)=4/2=2というようにして極限値を求めるというものでした。
因みに、上の方法は「有理化」という方法らしくて、分子と分母を同時に有理化する事によって無理式の表現が変わり、極限値を求められるようになったといういう事のようです。
まあ、テイラー展開を使うほうが汎用性はあると思いますが、戦場で悠長にテイラー展開なんかやっていたら戦死は免れないと思うので、Yahoo!知恵袋での戦いにも言える事ですが、久々に高校数学の問題(?)に取り組んで見て、ニュータイプは理論的な武器をきちんと揃えて頭の中で整理整頓し、いつでも実戦に使える状態にしておく事が重要だという事を再確認する事が出来ました(笑)

これがスマートに解けたらあなたもニュータイプ?

Yahoo!知恵袋(数学)を見ていたら、中学一年生向けの問題とは思えないような面白い問題を見つけましたので、いくばくかのPVを稼ぐためにこの問題をネタにしたいと思います。
問題は、x+y=-1,|x|+|y|=8となるようなx,yを求めよというシンプルなものです。
私が最初に答えたのは、x+y=-1だからy=-x-1であり、|x|+|y|=8だから
|x|+|-x-1|=8
|-x-1|=8-|x|
となって、この式の両辺を2乗すると
x^2+2x+1=64-16|x|+x^2
2x+1=64-16|x|
2x+16|x|=63
となり、
x=0の場合は2*0+16*0≠63なのでx≠0
x>0の場合は2x+16x=18x=63なのでx,y=3.5,-4.5
x<0の場合は2x-16x=-14x=63なのでx,y=-4.5,3.5
∴x,y=-4.5,3.5or3.5,-4.5
というものでした。
この回答はそこそこスマートだと思って自己満足したのですが、よくよく考えて見たら、2x+16|x|=63は16|x|=63-2xとして両辺を2乗すると、
256x^2=4x^2-252x+3969
252x^2+252x-3969=x^2+x-15.75=0
という二次方程式に還元出来て、
x=(-1±√(1^2+4*1*15.75))/2=(-1±√64)/2=(-1±8)/2=3.5,-4.5
∴x,y=3.5,-4.5or-4.5,3.5
と出来ました。
因みに、特にHaskellのような関数型プログラミングでは、余計な条件分岐をしたら「負け」だと思っているので、最初の回答は私から見て「負け」だったので、もう少し考えて見たらさらにスマートに出来ました(笑)
大昔は「美しくなければプログラムではない」とか生意気な事を言っていたのですが、やはり、物理の理論でも何の理論でも、美しくなければ理論ではないですよね(笑)
追記:
私の解き方の場合、例えば|x|=-1の場合にx^2=1,x=1,-1となって不正解になってしまうし、解が複素数になった場合はどのように解釈すれば良いのか等、厳密に考えれば理論的に不完全である事が分かりましたが、設問が正しければ必ず正しい答えは得られるはずですし、戦場でそんな事を考えていたら戦死しますので、これでよしとしてください。
追記2:
x+y=-1,y=-x-1,|x|+|y|=8なので、|x|+|-x-1|=8となり、
|x|≦1の場合は|x|+|-x-1|<8なので|x|>1となり、
x>1の場合はx+x+1=2x+1=8なのでx,y=3.5,-4.5
x<1の場合は-x-x-1=-2x-1=8なのでx,y=-4.5,3.5
∴x,y=3.5,-4.5or-4.5,3.5
という突っ込みの余地がなくて求解プロセスが短い回答がニュータイプにふさわしい回答なのかもしれないですね(笑)

ラッセルのパラドックスについて

物理の分野で一般受けするパラドックスは殆ど説明してしまったのではないかと思うので、数学の分野で一般の受けを狙ってラッセルのパラドックスについて説明したいと思います。
という事で、上記のように考えてラッセルのパラドックスについてネットを漁って見たのですが、私はすっきり理解出来る説明が見当たらなかったため、ラッセルのパラドックスについて説明を試みたいと思います。
まず、ラッセルのパラドックス(Wikipedia)を見てもらいたいのですが、ラッセルのパラドックスの内容は、ごく簡単に言うと、R={x|x∉x}という集合を要素とした集合は矛盾した集合であるという事のようです。
例えばR={x|x∉y}と置いて、xを集合の要素を表す変数としてyを「嘘つきの集合」とすれば、R={x|x∉y}は「嘘つきの集合に含まれない正直者の集合」となり、矛盾は起きません。
ところが、R={x|x∉x}の3つのxを全て同じ集合を表す変数とし、xを「嘘つきの集合」にしょうとした場合、最初にR={x|x∉x}の2番目のxと3番目のxを「嘘つきの集合」に確定する必要があり、この場合、1番目のxは「嘘つきの集合に含まれない嘘つきの集合」となるので、この時点で最初のxの定義と矛盾する事になります。
そして、R={x|x∉x}は1番目のxを要素にした集合なので、矛盾したまま解釈を続けると、Rは「嘘つきの集合に含まれない嘘つきの集合の集合」となるので、Rは「嘘つきの集合の集合」とも「正直者の集合の集合」とも分からない矛盾した集合の集合となります。
また、
ラッセルのパラドックス(Wikipedia)の「いまR∈Rと仮定すると、Rの定義によりR∉Rとなるから」というのは、Rは自分自身の要素を含む自分自身を自分自身が含むと定義すると、R={x|x∉x}は、Rは自分自身の要素を含まない集合という意味になり、自分自身が自分自身の要素を含む自分自身を含まないという事と等しくなるので、矛盾していると言っているのではないでしょうか。
ラッセルのパラドックス(Wikipedia)では、このパラドックスは集合や集合の演算を矛盾が起きないようにきちんと定義しないために生じるパラドックスであり、ZFC集合論ではこのようなパラドックスは起きないとされているようですので、ZFC集合論が構築された現在において、このパラドックスを集合論のレベルで厳密に考えてもあまり得るものはないのではないでしょうか。
尚、ラッセルのパラドックスは、自己言及のパラドックス(Wikipedia)の一種で、プログラミング言語で言えば、バグがある再帰的プログラムのようなものだと思いますが、自己言及のパラドックスを知っていると、嘘つき集団に騙されなくて済むのではないでしょうか(笑)
因みに、世の中には「宇宙は不確定である」というように断定する方が多くいらっしゃると思いますが、そのような方は、その断定自体も不確定である事になってしまう事に気が付いていないのではないでしょうか。
私は、そんな面倒なパラドックスを避けたいという意味でも、非局所的な隠れた変数理論について等で、宇宙の超決定性の存在を仮定している訳ですが、いかがでしょうか?(笑)

オイラーの公式の証明について(2)

オイラーの公式の証明についてで終わってしまうとつまらないので、私もマクローリン展開や微分方程式だけでオイラーの公式を証明(?)している方と同様、数学的な厳密性を踏みにじったオイラーの公式の証明(?)を披露したいと思います(笑)
この証明(?)は、∫1/(1+x^2)dx=arctan(x)+Cである事を利用しますが、先ず、1/(1+x^2)=1/(1-ix)(1+ix)と変形してiをあぶり出します。
(1/(1-ix)+1/(1+ix))/2=1/(1+x^2)と変形して左辺の分子と分母にiを乗じて
(i/(1-ix)+i/(1+ix))/2i=1/(1+x^2)として両辺を積分すると、
∫(i/(1-ix)+i/(1+ix))/2idx=∫1/(1+x^2)dx
(-log|1-ix|+log|1+ix|)/2i+C=arctan(x)+Cとなりますが、Cは同じ値なので、
(-log|1-ix|+log|1+ix|)/2i=arctan(x)
log(|1+ix|/|1-ix|)=2iarctan(x)となり、2arctan(x)=θと置いてlog()の引数の分子と分母に|1+ix|をかけると、
log(|1+ix|^2/|1+x^2|)=iθとなります。
そして、両辺を逆対数化すると、
|1+ix|^2/|1+x^2|=e^iθとなりますが、分子は二乗していて分母は1+x^2≧1なので、
(1+ix)^2/(1+x^2)=e^iθと出来て、x=tan(θ/2)なので、
(1+itan(θ/2))^2/(1+tan^2(θ/2))=e^iθ
((1+isin(θ/2)/cos(θ/2))/(1/cos(θ/2))^2=e^iθ
(cos(θ/2)+isin(θ/2))^2=e^iθとなり、ド・モアブルの定理(Wikipedia)を適用すると、
cosθ+isinθ=e^iθとなります。
まあ、この証明(?)の問題点は、
∫(i/(1-ix)+i/(1+ix))/2idx=∫1/(1+x^2)dx
(-log|1-ix|+log|1+ix|)/2i+C=arctan(x)+C
という事が証明されていない事と、
|1-ix|と|1+ix|が何を意味しているのか明らかに出来ていない事だと思いますが、暇つぶしの足しになりましたでしょか(笑)

オイラーの公式の証明について

世の中には、オイラーの公式(Wikipedia)マクローリン展開(金沢工業大学)微分方程式(Wikipedia)だけで証明(?)している方が多いようなので、この件について記したいと思います。
オイラーの公式は、e^iθ=cosθ+isinθですが、e^iθのマクローリン展開や微分方程式が成り立つためには、e^iθがθ∈Rで微分(Wikipedia)可能である事を証明しなければならないのではないでしょうか。
そこで、e^iθがθ∈Rで微分可能かどうか微分の定義に立ち返って確認して見たいと思います。
e=(1+1/∞)^∞なので、(e^i(θ+⊿θ)-e^iθ)/⊿θ=(e^iθe^i⊿θ-e^iθ)/⊿θ=e^iθ(e^i⊿θ-1)/⊿x=e^iθ((1+1/∞)^(∞*i⊿θ)-1)/⊿θとなりますが、1/∞=⊿θとすると、e^iθ((1+⊿<θ)^i-1)/⊿θとなるのですが、e^iθや(1+⊿θ)^i=((e+e⊿θ)/e)^i=(e+e⊿θ)^i/e^iは、証明しようとしている式を包含している式なので、循環論法(Wikipedia)となっていてe^iθがθ∈Rで微分可能である事を証明出来ないのではないでしょうか。*1
また、この事が正しければ、マクローリン展開や微分方程式だけを用いた証明(?)は、数学の証明としては不完全なのではないでしょうか。
まあ、私は小物だから、このような些細な事が気になるのかもしれないですね(笑)
*1 e^θの場合は、(e^(θ+⊿θ)-e^θ)/⊿θ=(e^θe^⊿θ-e^θ)/⊿θ=e^θ(e^⊿θ-1)/⊿x=e^θ((1+1/∞)^(∞*i⊿θとなり、1/∞=⊿θとすると、e^θ((1+⊿θ)^1-1)/⊿θ=e^θ(1+⊿θ-1)/⊿θ=e^θ⊿θ/⊿θ=e^θなので、この結果に異議を唱える人は殆どいらっしゃらないのではないでしょうか。
追記:

オイラー=ラグランジュ方程式について

オイラー=ラグランジュ方程式の導出法を知りたくなって、オイラー=ラグランジュ方程式(Wikipedia)を読み込んで見たのですが、さっぱり理解出来なくて、他を探してみたところ、宇宙に入ったカマキリさんの【ラグランジュ方程式の導出】最小作用の原理からわかりやすく解説が見つかったので、読み込んで見たら、何となく理解が出来た気がしました。

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